newmoのグループ会社で神奈川県を中心にタクシー事業を展開する湘葉交通は9月17日、新たなタクシー営業所「湘南営業所」を鎌倉市手広に開業した。湘南交通圏での新営業所開業は2007年以来、19年ぶりとなる。未経験・若手の採用を通じて、鎌倉の「移動の担い手不足」の解決を目指す。
鎌倉で深刻化する「移動の担い手不足」
近年、鎌倉市では移動手段の不足が課題となっている。鎌倉駅周辺のタクシー不足に加え、手広を含む市西部では路線バスの減便・廃止も進み、鉄道駅やバス停から離れた「交通不便地域」が広がっている。その背景には、地域交通を支える運転士の不足がある。
鎌倉市の「地域公共交通計画」でも、運転士不足を背景に、鉄道・路線バスだけに依存しない新たな移動手段の必要性が示されている。高齢化率は2020年の約30%から2040年には約40%に達する見込みで、誰もが移動しやすい環境づくりが求められている。うみかぜ交通グループは、鎌倉駅の需要から交通不便地域における日々の生活の足まで、地域に根ざして支えることを目指す。
採用者の76%が未経験、平均年齢も低く
湘葉交通は、これまでタクシー乗務員として就業する機会の少なかった未経験者や若手・女性などを積極的に採用している。湘南営業所にはすでに300人を超える応募が寄せられ、採用者の76%がタクシー未経験者だ(2026年9月時点)。採用者の平均年齢は48.8歳で、全国のタクシー乗務員の平均年齢である約56.8歳を大きく下回っている。第二種運転免許の取得費用は同社が負担し、未経験者が就業しやすい環境を整えている。
車両にはトヨタの新型シエンタを採用し、乗降しやすいスライドドアを備える。運営面ではnewmoグループの自動点呼「newmo点呼」を導入し、運行データを活用した教育にも取り組む。従来は個人の経験に依存しがちだった知見をデータとして可視化することで、未経験者が早期に活躍できる環境を整える。
20代の統括が営業所立ち上げを担う
湘南営業所を統括する望月豪氏は「タクシーは地域の暮らしを支える重要な仕事だ。未経験の方や若手・女性など、これまでこの仕事に就く機会の少なかった方々の採用に注力しており、私自身も20代で営業所の立ち上げを担っている。鎌倉における移動の担い手を増やし、地域に根差して皆さまに選ばれるタクシー会社を目指す」とコメントした。
湘南営業所は神奈川県鎌倉市手広一丁目5番21号に位置する。湘葉交通は清潔な車両と丁寧な接客、デジタルを活用した運営を通じて、湘南地域に根差して日常の移動を支えていく。