国土交通省港湾局は7月29日、港湾関連手続きを電子化するデータプラットフォーム「サイバーポート(手続)」に、クルーズ船の予約機能を追加し、運用を開始する。港湾管理者と船舶代理店の予約調整をデジタル化することで、寄港調整の効率化や業務負担の軽減を図り、全国の港湾におけるクルーズ振興を加速させる。
クルーズ需要拡大に対応、全国の港湾で予約を電子化
近年、日本へのクルーズ船寄港は急速に回復しており、2025年の寄港回数は速報値で3,117回と前年の約1.3倍に増加した。政府は2030年までに訪日外国人旅行者6,000万人、旅行消費額15兆円を目標に掲げており、クルーズ需要のさらなる拡大が見込まれる一方、港湾側では予約調整や受入体制の整備が課題となっている。今回の新機能は、こうした課題への対応を目的に導入される。
重複予約検知やチャット機能で業務を効率化
新たに運用するクルーズ予約機能では、各港湾の予約受付方針に応じた予約管理に加え、同一船舶・同一時間帯の重複予約を検知する機能を搭載。港湾管理者は予約の承認・却下時に重複状況を確認できるため、直前キャンセルや予約調整の負担軽減につながる。
また、これまでメールやFAXで行っていた港湾管理者と船舶代理店とのやり取りをシステム内のチャット機能に集約。入港前の各種申請資料の提出や管理、寄港実績の報告もオンライン化し、予約から実績報告まで一連の手続きを一元管理できるようになる。将来的にはNACCSとの連携や、全国のクルーズ予約情報を公開・検索できる機能も追加される予定だ。
港湾管理者は最大60%、船舶代理店は最大50%の作業時間削減
港湾局が実施した検証では、予約申請、入港前手続き、出港後実績報告の3業務について、港湾管理者では総作業時間を最大60%、船舶代理店では最大50%削減できることを確認した。利用者からは、情報共有の迅速化や入力ミスの防止、進捗状況の可視化など、業務効率化への期待が寄せられている。
広島港・青森港から運用開始、順次全国へ展開
クルーズ予約機能は7月29日から運用を開始し、当初は広島港と青森港で利用可能となる。その後、対象港湾を順次拡大する予定。利用を希望する港湾管理者や船舶代理店は、システム運営事務局へ申請することで利用できる。