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JNTO、地方誘客へ新キャンペーンを全面展開 訪日動向と地域支援策を説明

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日本政府観光局(JNTO)は10月28日、メディアブリーフィングを開き、訪日旅行の最新動向と主な取り組みを説明した。1~9月の訪日外国人旅行者数は前年同期を下回った一方、7~9月期の旅行消費額は増加し、地方部の延べ宿泊者数も多くの市場で前年同期を上回った。新たなグローバルキャンペーン「Japan. Unforgettable」の全面展開や、地域の人材育成、海外旅行会社との商談機会づくりなどを紹介した。

訪日客は1~9月で3073万人、消費額は増加

1~9月の訪日外国人旅行者数は、前年同期比2.9%減の3073万200人となった。中国市場は2025年12月以降、前年同月を下回る状況が続く一方、韓国、台湾、香港の東アジア3市場と東南アジア6市場は、多くの月で前年同月を上回る水準で推移。欧州や米州、豪州なども前年を上回る動きを示している。JNTOは9月の減少について、中東情勢による航空券価格の高騰に加え、航空便の減便や台風による欠便などの影響を挙げた。

観光庁のインバウンド消費動向調査によると、7~9月期の訪日外国人旅行消費額は前年同期比3.2%増の2兆2076億円。国・地域別では台湾が3818億円で最多となり、中国3583億円、韓国2938億円、米国2409億円、香港1555億円と続いた。クルーズ客を除く一般客の1人当たり旅行支出は、同6.1%増の23万3677円となった。

滞在日数の短縮、費用上昇との関係は慎重に分析

質疑では、旅行消費額と1人当たり支出が増えた一方、平均泊数が前年同期から1.2泊減の10.3泊となった点について質問が出た。宿泊費や娯楽等サービス費の総額が減少したことも踏まえ、滞在費の上昇が旅行者の行動に影響しているのではないかとの指摘があった。

真鍋英樹理事長代理は、7~9月期の数字だけで判断せず、全体の傾向を見たいと説明。海外でも宿泊費や物価が上昇しており、日本の滞在費上昇が直ちに旅行行動へ影響しているかは、分析が必要だとした。その上で、「できるだけ長期に滞在していただく」ことを目指し、今後も動向を注視する考えを示した。

地方宿泊は17市場で増加、徳島の誘客事例も紹介

宿泊旅行統計調査の1~7月速報では、三大都市圏を除く地方部の延べ宿泊者数が17市場で前年同期を上回った。特にカナダや東南アジアの多くの市場は、前年同期の約1.2倍となっている。自治体と連携した地方誘客の事例としては、徳島県三好市の大歩危・祖谷地域などを紹介した。JNTOロサンゼルス事務所は2010年以降、自然や四国遍路を切り口に、地域の民間事業者や自治体と誘客を進めてきた。

取り組みは、取材支援による認知度向上、セミナーやメディア招請による興味・関心の喚起、商談会や旅行博を通じた商品造成の3段階で展開。海外旅行誌への掲載をきっかけに旅行会社がツアーを造成し、その後も地域関係者の海外商談会参加などを支援した。2025年の徳島県における米国人延べ宿泊者数は1万2380人で、2010年の約3倍となった。JNTOは、長期的な情報発信と旅行会社への働きかけを組み合わせた事例として説明した。

「Japan. Unforgettable」春・夏・食などの動画を公開

新たなグローバルキャンペーン「Japan. Unforgettable」は、欧米豪市場を中心に、訪日経験はないものの日本旅行に関心がある層を対象とする。日本が「いつ来ても楽しめる旅行地」であることを、旅行者の姿や視点から伝える。4月28日に先行公開した秋編・冬編に続き、10月28日には春編、夏編、統合編、食編の動画とウェブサイトを公開した。これにより全動画がそろい、新たな映像を活用したデジタル広告などを展開する。

動画では、姫路城や宮島でのカヤック、四万十川のラフティング、祭りや伝統工芸、農泊・農業体験など、日本各地の自然、文化、食の多様な魅力を紹介。ウェブサイトでも記事やモデルコースなどを通じて旅行への関心を高める。

研修会と現地視察で、地域のコンテンツ磨き上げを支援

地域のインバウンド人材育成では、九州、東北、北陸信越、中部、沖縄の5地域で研修会を実施する。九州は10月9日、東北は同27日に開催済みで、今後は11月19日に長野市、12月16日に名古屋市、2027年1月26日に那覇市で開く。

高付加価値旅行やアドベンチャートラベルなど、地域ニーズを踏まえた講演に加え、海外旅行会社などの訪日旅行有識者が登壇する。研修会に先立って地域の観光コンテンツを視察し、市場の視点から磨き上げのポイントを伝えるほか、参加者間の交流やJNTO職員による個別相談も行う。

カナダ旅行業界約150人が来日、12月に商談会

カナダ旅行業協会(ACTA)の年次総会「International Destination Conference」が、11月30日から12月4日まで横浜などで開かれることも紹介した。日本開催は初めてで、カナダの主要旅行会社やメディアなど約150人が来日する予定だ。

11月30日は神奈川県内の日帰り視察、12月1日はウェスティン横浜で総会を実施。2日には国内のセラー30社との商談会やネットワーキング、体験コンテンツを用意し、3日からは関東近郊を巡る1泊2日の視察旅行を行う。

質疑でJNTOは、カナダ市場では日本の伝統文化や歴史、精神性への関心が高く、若年層から家族旅行まで幅広い層が訪れていると説明。アドベンチャートラベルを含む体験への関心も高いとし、旅行業界関係者が日本の魅力を直接知る機会として期待を示した。

滞在日数の短縮、長期的な傾向を注視

質疑では、旅行消費額と1人当たり支出が増えた一方、平均泊数が前年同期から1.2泊減の10.3泊となった点について質問が出た。宿泊費や娯楽等サービス費の総額が減少したことも踏まえ、滞在費の上昇が旅行者の行動に影響しているのではないかとの指摘があった。

これに対し、真鍋英樹理事長代理は、7~9月期の数字であることを踏まえ、「全体のトレンドをもうちょっと見たい」と述べた。天候などが影響している可能性にも触れ、単一の四半期だけでは判断せず、動向を見極める姿勢を示した。

また、海外でも宿泊費や物価が上昇していると説明。日本の滞在費上昇が直ちに旅行行動に影響しているかについては、「よく分析をしないと一概には言いにくい」と述べた。その上で、「できるだけ長期に滞在していただくようなことを目指しております」とし、滞在日数や消費の動きを引き続き注視する考えを示した。

取材 ツーリズムメディアサービス代表 長木利通

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