国土交通省は11月6日、2026年度第2回の「人生100年時代を支える住まい環境整備モデル事業」で、8事業を選定したと発表した。廃校や団地、市営住宅などの既存建物を活用し、住まいと仕事、交流、生活支援を組み合わせる取り組みなどを支援する。
高齢者や障害者、子育て世帯などが安心して健康に暮らせる住環境の整備を促す制度。民間事業者などの提案について、学識経験者による評価を経て、先導性が認められたプロジェクトを選定する。今回は「課題設定型」と「事業育成型」が各4件で、「事業者提案型」の選定はなかった。
那須塩原では廃校に住まい・仕事・交流機能
課題設定型では、那須まちづくり(栃木県那須塩原市)が、廃校となった小学校を活用する計画を提案した。地域住民の居場所や障害者就労支援施設、デイサービス、カフェ、マルシェに加え、サービス付き高齢者向け住宅やセーフティネット住宅を整備する。
評価では、学校が担ってきた地域拠点の役割を生かし、多様な人の住まい・仕事・交流機能を一体的に整備する点が認められた。一方、事業規模を踏まえた費用対効果や、自立的な運営に向けた工夫も求められた。
このほか、元気じるし(三重県四日市市)は、空き家を活用した居住支援と福祉人材育成を組み合わせる。ZEN(福岡県北九州市)は築50年の団地をシェアハウスなどに再生し、見守りセンサーやスマートキーを活用した管理方法を検証する。ルトレッフル(京都市)は市営住宅を活用し、居住サポート住宅4戸とコミュニティカフェを兼ねた居場所を整備する。
三豊は3世代の支え合い、熊野は若者と地域をつなぐ拠点へ
事業育成型では、八百万(香川県三豊市)が、既存3棟を活用したシニア向けシェアハウス、子育て支援、食サービスを組み合わせる構想を提案。整備に先立ち、利用ニーズや運営体制、収支などを分析し、事業成立性を検証する。
有限会社泉(和歌山県田辺市)は、居住支援が必要な若者の住まいと、演劇などの文化的空間を備える地域交流拠点の創出を目指す。既存住宅1戸を試験的に活用し、改修範囲や空間デザインの有効性を検証するとともに、イベントなどで地域のニーズを把握する。
生活クラブ生活協同組合・神奈川(横浜市)は、借上げ公営賃貸住宅の返還後も住まいと居住支援を一体で提供する仕組みを検討。ワンファミリー仙台は熊本県八代市を候補地に、弁護士・建築士・福祉職が連携して被災者の住まい再建を支援するモデルを検証する。
選定事業の詳細は住まい環境整備モデル事業評価事務局のウェブサイトへ。