沢・川に接する土地の専門ポータル「沢バンク」を運営する沢バンク株式会社は、2026年9月時点で掲載している全国47都道府県・452件の土地を、沢との位置関係で3区分に分けて集計した。沢が敷地内を流れる土地は56件で全体の12.4%、およそ8件に1件だった。掲載元は不動産会社・売主あわせて181者で、価格の中央値は400万円だった。
敷地内を沢が流れる土地は1割強
452件を沢との位置関係で分けると、「敷地内を沢が流れる」が56件(12.4%)、「敷地に沢が接する」が310件(68.6%)、「沢がすぐ近くにある」が86件(19.0%)となった。敷地の内側を水が流れる土地は全体の1割強にとどまる。
地方別では、中部・甲信越が165件で全体の36.5%を占めた。敷地内を沢が流れる56件のうち21件、およそ4割弱もこの地方に集まっている。都道府県別では長野県が50件で最多で、敷地内を沢が流れる土地も11件と全国56件の約2割にあたる。一方で山梨県は掲載30件のうち敷地内を流れる土地が0件だった。
価格は最も低いもので5万円、最も高いもので25億円、中央値は400万円だった。500万円までが243件で全体の53.8%を占める。面積の中央値は約700平方メートルとなっている。
「沢」を数える公的統計がない
集計の背景には、沢を数える統計の不在がある。国土交通省「河川データブック2025」によると、日本の一級・二級・準用河川を合わせた総河川延長は14万4,068.7キロメートルにのぼる。ただしこれらは河川法上の「法定河川」であり、山あいを流れる多くの沢は普通河川や無名の細流にあたるため、本数すら公的な台帳に記録されていない。
国土の約7割は山地・丘陵地で森林率は67%と、沢が生まれる地形的な素地は全国に広く分布しているが、「日本に沢が何本あるか」「どの土地が沢に接しているか」を示す公的統計は見当たらないという。同社は、土地の資産価値や取水の可否について一切の断定を行わず、分布という事実だけを公開するとしている。
「沢が付いている土地が欲しい」から生まれたサービス
本サービスは、代表者自身が「沢が付いている土地が欲しい」と考えたときに、その条件で探せる場所を見つけられなかったことが出発点だ。物件情報を一件ずつ開いて「沢」の記載を追い、地図と航空写真を突き合わせても、水が流れているかは現地に行くまで分からない。この手間を、地形データと登記データの重ね合わせで減らせないかと考えた。
土台となる解析システム「SAWA」は地形データから水が集まる筋を推定するもので、「沢がありそう」を示すにとどまり、実際に水が流れているかや取水の可否は判定できないとしている。閲覧は無料で、対応地域は47都道府県。同社は宅地建物取引業の免許を保有しておらず、物件情報を掲載して問い合わせを掲載元へ取り次ぐのみとなる。問い合わせは同社広報担当(メールinfo@sawabank.jp)へ。
投稿者:西川 佳克(にしかわ・よしかつ)TMS記者 / 株式会社東京山側DMC