monoDuki(鹿児島県鹿児島市)は、DXハイスクール採択校である水戸葵陵高等学校(茨城県水戸市)のDigital Xコースで、水戸市役所の協力を得ながら、1・2年生合同のデジタル人材育成プロジェクトの伴走支援を始めた。1・2年生計48人が対象で、期間は2026年4月から2027年3月までとしている。
修学旅行先セブ島をXRで再構築する構想から
水戸葵陵高等学校では、DXハイスクール採択を機に、2年次の修学旅行先であるセブ島の文化・景観・体験をXR技術でデジタル空間に保存・再構築し、対外的なアピールに活用したいという構想を持っていた。あわせて、AIやXRなど先端分野への体系的な学習機会を整備したい一方、機材導入後の活用設計や教員の負担増を招かない持続可能な運用体制に不安を感じていた。
そこでmonoDukiは、来年度以降も持続可能な取り組みにすることを前提に伴走型支援を提案し、昨年度からプロジェクトがスタートした。1学期は、機材の操作習得にとどまらず、プロジェクトマネジメントの基礎講座、3D空間の企画立案、水戸市への企画書提出、現地でのデータ採集、個人およびチームでの振り返りなど、実践的なプロセスを取り入れた。
あえて「安全な失敗」を経験させる設計
同プロジェクトの特色は、「安全な失敗」を通じた体験学習にある。あえてインターネットの情報のみで計画を立ててフィールドワークに臨ませ、「対象物が大きすぎてスキャンできない」などの想定外の事態に直面するよう設計した。この計画通りにいかない経験を「現場でしか得られない一次情報」と捉えさせ、状況に合わせて柔軟に計画を修正する姿勢を促した。
また、プロジェクト初期に1・2年生の混合チームで理念や行動指針を生徒自身に設定させ、終盤には匿名での他者評価と個人ワークによる自己評価を実施した。社会でのプロジェクト進行に近い協働体験と、多角的な視点で成長を振り返る機会を設けた。生徒は水戸市街地でのフィールドワークで、自ら店舗へ撮影許可の電話をかけ、スマートフォンのアプリで3Dスキャンを行うなど、地域社会とのリアルな接点も経験した。
7月末の学校説明会(オープンキャンパス)では、生徒自らが制作した3D空間を来校者に説明し、VRゴーグルの装着・操作をサポートするなど、成果を発表した。
「教育→企業→産業DX」の流れを目指す
monoDukiは、外部専門家のみに依存せず、学校側の担当教員との連携体制を重視した。毎回の授業後に担当教員と綿密な振り返りを行い、教員の業務負担を抑えつつ質の高い授業を継続できる持続可能な伴走体制を確立した。同社の支援は、ヒアリング・目的整理から、プログラム設計・機材選定、研修・実施、成果発表・事例発信、振り返り・活用提案の5段階で構成される。
monoDukiは、DXを推進できるデジタル人材が国内で不足しているなか、デジタル人材育成をDX活用の起点と位置づけている。採択校への教育支援を通じて「教育→企業→産業DX」の持続可能な流れを構築し、鹿児島から日本全体のデジタル変革を加速させることを目標に掲げている。問い合わせは同社の相談フォームで受け付けている。