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観光庁、2027年度概算要求は前年度比37%増の約1905億円 旅客税財源1800億円

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観光庁は8月27日、令和9年度(2027年度)関係予算の概算要求額を発表した。国際観光旅客税財源として1800億円を盛り込んだ。国際観光旅客税を財源とする事業に1800億円、一般財源事業に99億7600万円、東日本大震災復興特別会計に5億6600万円を計上し、総額は約1905億円となる。事前説明では、越智成基総務課企画官が要求内容について説明した。

国際観光旅客税財源は前年度予算の1300億円から500億円増え、1.38倍となる。一般財源も前年度の83億4500万円から約20%増加する一方、東日本大震災からの観光復興は前年度の6億6500万円から減額要求となった。

旅客税財源、500億円増の1800億円

国際観光旅客税を財源とする事業は、前年度比1.38倍の1800億円を見込む。

越智企画官は、2026年度に国際観光旅客税の税額が引き上げられ、2027年度はその影響が通年化することなどを踏まえた金額だと説明した。現時点では直近のインバウンド、アウトバウンドの推移や出国者数などをもとに収入を見込んでおり、今後の動向を確認しながら予算編成過程で精緻化していく。

旅客税財源は、国際観光振興法や国際観光旅客税の使途に関する基本方針に基づき、「ストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備」「日本の多様な魅力に関する情報入手の容易化」「地域固有の文化や自然を活用した観光資源の整備」などに充てる。

また、負担者の納得が得られることや、先進性、費用対効果、地方創生など重要政策課題との整合性も踏まえて事業を検討する。ただし、旅客税収は旅行者数などによって変動することから、概算要求段階では個別事業ごとの配分額を示していない。観光庁では、収入見込みや民間有識者の意見を踏まえながら、具体的な事業を予算編成の中で詰めていく。

一般財源は約100億円、国内交流・アウトバウンドを大幅増

一般財源事業の要求額は99億7600万円で、前年度の83億4500万円から1.20倍となった。内訳は、「インバウンドの戦略的な誘客と住民生活の質の確保との両立」が66億7100万円、「国内交流・アウトバウンド拡大」が12億2000万円、「観光地・観光産業の強靱化」が11億8700万円、その他経常事務経費が8億9800万円。

中でも増加幅が大きいのが「国内交流・アウトバウンド拡大」で、前年度の5億円から2.44倍に増額する。双方向交流の拡大に向け、地方空港への定期便やチャーター便の誘致、旅行商品の造成などを支援するほか、国内旅行では修学旅行を含む教育旅行プログラムの開発なども進める。

越智企画官は、国内旅行が観光消費の大きな割合を占めることから、インバウンドだけでなく国内旅行もしっかりと伸ばしていく必要があるとの考えを説明。高齢者やペット連れなど、多様化する旅行ニーズに応じた需要創出やモニターツアー、関係人口の創出など、新たな取り組みも検討する。

アウトバウンドだけでなく、日本への交流人口を広げる観点からワーキングホリデーにも着目。訪日した若者と観光地とのマッチングなどを通じ、交流促進と観光産業の人材確保・強化につなげる施策も視野に入れている。

観光産業の強靱化は1.63倍

「観光地・観光産業の強靱化」は前年度の7億2700万円から11億8700万円へ1.63倍に増額する。

観光地域づくりを担う経営人材や、宿泊施設などで必要となる人材の育成を進めるほか、生産性向上や外国人材の確保・定着など、観光産業が抱える人手不足への対応を強化する。また、観光統計などデータ基盤の整備にも予算を充てる。越智企画官は、データに基づいて観光政策を立案するためにも、統計データを着実に整備していく必要があると説明した。

現在実施している事業のうち、効果が認められる取り組みについては2027年度以降も継続を検討する。事前説明では、温泉街などで老朽化した旅館や廃屋を撤去・再生し、新たな観光まちづくりを促す支援策について、地域からのニーズが高い事例として紹介した。

地域・DMOへの支援、予算編成で具体化

旅客税財源が1800億円へ拡大する中、自治体やDMO、観光事業者にどの程度の予算が行き渡るかも焦点となる。越智企画官は、地域向けの具体的な支援額について「現時点ではなかなか申し上げづらい」としつつ、2026年度の事業を執行する中でも各地から支援を求める声が寄せられていると説明した。

今後、地域の声や事業ニーズを把握した上で、必要な予算規模について財政当局と協議する。補正予算で実施してきたオーバーツーリズム対策などについても、旅客税の使途として適切なものは当初予算の中で議論していく考えを示した。

2027年「持続可能で強靱な観光国際年」も視野

2027年は国連の「持続可能で強靱な観光国際年」に当たることから、UN Tourismと連携したシンポジウムや実務者会議などの開催も検討する。現段階で具体的な国際会議などは決まっておらず、今後詳細を詰める。

観光庁は、第5次観光立国推進基本計画で掲げる「インバウンドの戦略的な誘客と住民生活の質の確保との両立」「国内交流・アウトバウンド拡大」「観光地・観光産業の強靱化」を軸に、増加する国際観光旅客税財源を活用しながら、地方誘客や旅行需要の拡大、観光産業の基盤強化を進める。具体的な事業内容や配分額については、年末に向けた予算編成の中で固めていく。

JESTA導入に伴う免税制度見直しも要望

このほか税制改正では、電子渡航認証制度「JESTA」の導入に伴い、外国人旅行者向け消費税免税制度の確認方法の見直しを要望した。JESTA導入により上陸許可証の旅券への貼付が省略される場合を想定し、デジタル技術などを活用した購入対象者の確認方法を検討する。越智企画官は、Visit Japan Webなどの活用も選択肢となり得る一方、法制度上の課題も含めて検討していく考えを説明した。

※サムネイルは、観光庁の越智成基総務課企画官。

取材 ツーリズムメディアサービス代表 長木利通

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