ツーリズムメディアサービス(TMS)は8月31日、「第2回TMSリアル交流会」を東京・新宿の参謀BARで開催した。全国で地域創生や観光振興、公民連携に取り組む実践者ら32人が集い、観光M&Aについて話し合うパネルディスカッションなど交流会を通じて新たな共創のきっかけを探った。記事の「向こう側」にいる実践者同士が直接出会う場として、TMSを運営するツーリンクスと東京山側DMCが共催した。
教育旅行の全国展開と、事業拡大に向けたM&A
パネルディスカッションでは、東京山側DMCが手がける教育旅行事業と、その拡大に向けた提携構想が語られた。同社は年間約3万人の子どもを対象にしたスクール事業を展開し、過去6年で沖縄から北海道まで、地域資源を活かした体験学習を各地で実施してきた。少子化のなかでも地域の情報は貴重な資源であり、地方には大きな可能性があるとの認識を示した。
一方で同社は、事業のポテンシャルを最大限に引き出すため、より有能な経営者や資本との提携を模索してきたと明かした。その過程で出会ったのが、観光領域に特化したベンチャー「日本観光開発機構」だという。
「業績が良い時こそ準備を」観光M&Aの意義

登壇した日本観光開発機構の松間社長は、「日本の観光をもっと豊かに」をミッションに、M&Aや資本政策の面から観光事業者を支援する自社の取り組みを紹介した。単なる「売り抜け」ではなく、譲渡後も買い手と協働して事業を成長させる「守り、伸ばす」承継を重視すると述べた。
松間氏は、後継者不在やデジタル化の遅れで廃業寸前に追い込まれる中小事業者が増えていると指摘。経営が悪化してからではなく、業績が良い時期にこそ選択肢を広げるためにM&Aや資本提携の準備を進めるべきだと強調した。案件は数百万円の民泊から個人でも手が届くものまで幅広く、日本ではM&Aの認知度が海外に比べて著しく低いとして、経営者がファイナンスを学ぶ重要性を訴えた。
分野を越えて次の一歩へ
パネルディスカッション後は約1時間の共創交流会が開かれ、自治体やDMO、観光事業者、教育関係者、企業など分野を越えた参加者が自由に語り合った。翌9月1日には、地域資源を活かした事業創出の現場を体感する「東京山側フィールドスタディ」も行われた。

TMSは、地域創生や観光の最新ニュースに加え、有識者による寄稿や特集を毎日発信する観光産業の専門WEBメディアだ。同交流会は、記事を通じて現場の声を届けてきた同メディアが、実践者同士のリアルな出会いの場として企画した。