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Yunomi Lifeが抹茶産業の矛盾を問う、農家は94%消えた

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Yunomi Lifeは4月26日、東京ガーデンテラス紀尾井町で開かれたTech for Impact Summit 2026(T4IS2026)でセッションを主催し、世界的な抹茶ブームが日本茶産業にもたらす構造的な矛盾を公開議論した。

過去数十年で農家の94%が消え、輸出量が倍増するなかでも日本側の取り分は世界市場のごく一部にとどまるという実態が、多角的な視点から論じられた。

農家94%が消えた日本茶産業の現実

過去数十年にわたって農家の数は急減し、現在は高齢化した少数の大規模生産者が市場を支える構造に変わっている。後継者不足は慢性化しており、産業の担い手が失われ続けている状況だ。

世界の抹茶市場は現在40億ドル規模にまで拡大し、日本からの輸出量は倍増した。しかし日本のメーカーが実際に手にする収益は、その市場規模のごく一部にとどまっているという。

ブームのさなかに倒産する逆説

需要が急拡大するなかで、帳簿上は黒字でも運転資金が追いつかず倒産するケースが相次いでいる。需要急増に対応しようとする設備投資が資金繰りを圧迫しており、碾茶(石臼挽き緑茶)工場の新設や転換には1億円を超えるコストがかかるとされる。

セッションでは、このブームを牽引しているのは消費者の嗜好よりも、抹茶ラテや抹茶スイーツのビジュアルをSNSで拡散するコンテンツ主導の動きだという仮説も提起された。需要のあり方そのものが、産業構造のゆがみを生んでいる可能性がある。

偽装抹茶が日本ブランドの信頼を脅かす

海外市場では、本来の碾茶以外の粉末茶が「抹茶」として流通するケースが横行している。産地偽装も絡み合い、日本ブランドへの信頼が損なわれるリスクが高まっている状況だ。

Yunomi Lifeが国内消費との再結合へ転換

セッションを主催したYunomi Lifeは、日本茶の海外販売プラットフォームとして創業し、農家と海外消費者を直接つなぐ「People-to-People Commerce」を掲げて成長してきた事業者だ。

同社は今後、輸出偏重の戦略を見直し、国内消費との再結合を目指す方針に転換することを明らかにした。東京でのカフェ出店を計画しており、日本の消費者との接点を再構築することを意図している。

今回のセッションはチャタムハウスルールのもとで行われており、Yunomi Life以外の参加者・発言者の発言は匿名とされる。

Tech for Impact Summit 2026の詳細はhttps://tech4impactsummit.com/jaから確認できる。問い合わせはsummit@socious.ioまで。

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