東京山側DMCは5月15日、宮城県気仙沼市で活動する気仙沼DMCの熊谷圭悟さん、熊谷綾さん夫妻と連携し、地域資源を生かした新たな体験型ツアー造成に向けた現地視察を始めた。東京山側DMCの師岡龍也さんが3日間にわたり気仙沼に滞在し、海や山、川と地域の人々に触れながら、気仙沼だからこそできる“本物の体験”を探った。ツアーは9月頃の実施を目指している。

気仙沼の“意味ある体験”を探す3日間
熊谷夫妻は、民間の観光案内所を運営しながら、地域課題と向き合い、体験コンテンツの開発を続けている。「気仙沼に来る意味をつくりたい」。そんな思いを持ちながら、海や山、食など豊富な地域資源をどう生かし切るかを模索してきた。今回の視察は、東京山側DMC地域創生プロデューサー養成講座を通じて出会った師岡さんが、その思いに応える形で実現した。師岡さんは3日間にわたり、岩井崎のリアス式海岸や化石、震災の爪痕が残る場所を巡りながら、地域で暮らす人たちの話に耳を傾け続けた。
人と人の信頼関係から生まれる学び
師岡さんは、東京山側DMCが取り組む自然体験プログラムについて、「効率だけではつくれない学びの場」だと語る。地域の漁師や農家、猟師、職人たちのもとへ何度も足を運び、子どもたちのために頭を下げながら、一緒に場をつくってきたという。その積み重ねが、子どもたちの「やってみたい」「挑戦してみたい」という気持ちを引き出している。参加した保護者からは、「子どもの表情が変わった」「自分から挑戦するようになった」といった声も寄せられているという。また、地域側にも変化が生まれている。子どもたちと触れ合うことで、地域の大人たち自身が元気や希望を受け取る循環ができ始めている。師岡さんは、「体験を提供するだけではなく、子どもと家族、地域が支え合い、喜び合える関係を育てたい」と話す。
気仙沼で何が生まれるのか

今回の視察では、海だけではない気仙沼の魅力にも目が向けられた。震災の記憶、リアス式海岸の自然、地域で生きる人々の暮らし。そうした“土地の背景”そのものを体験価値へ変えていく可能性を探っている。今後、師岡さんと熊谷夫妻、そして地域プレイヤーたちがどのように混ざり合い、どんなツアーを形にしていくのか注目が集まる。9月頃を予定する新たなツアーが、気仙沼の新しい旅のきっかけとなりそうだ。
寄稿者 熊谷綾(くまがい・あや)気仙沼DMC KNEWS