阪急交通社グループは5月15日、2025年度(2025年4月〜2026年3月)決算を発表した。売上高は前年度比13.6%増の2965億4600万円、営業利益は同2.4%増の54億2300万円となり、増収増益を達成。前年度の売上高2611億400万円、営業利益52億9800万円を上回り、訪日旅行需要の拡大や高付加価値商品の販売強化が業績を押し上げた。
阪急交通社グループは、阪急交通社、阪急阪神ビジネストラベル、阪急トラベルサポートの3社で構成される。
国内旅行は高付加価値商品を強化
2025年度の旅行市場は、訪日外国人旅行者数が過去最高を更新し、国内観光市場をけん引した。一方で、日本人の国内旅行は物価高騰による節約志向の影響を受けたものの、同社は「価値ある体験には対価を支払う」消費行動も見られたと話す。
こうした市場環境の中、同社はグレードの高いホテル・旅館を利用した旅行商品や、テーマ型商品の造成を強化。祭りやイベント、エンターテインメントを組み合わせた体験型商品の開発を進めた。また、テレビ通販を積極活用し、全国各地発着商品の拡充を推進。地域と連携した閑散期誘客イベントなども実施し、需要喚起につなげた。大阪・関西万博の開催も国内旅行需要を下支えした。
海外旅行はクルーズ・高価格帯商品が伸長
海外旅行分野では、円安や燃油価格高騰、世界的インフレの影響で旅行代金の上昇圧力が続いた。一方で、付加価値の高い旅行商品への需要は堅調だった。高級ホテルや新しいリゾートホテルを活用した高価格帯商品の販売を推進。さらに、燃油高騰下でも参加しやすい商品として、日本発着クルーズを拡充した。
販売面では、アジアやハワイ向けキャンペーン商品の展開に加え、全国各地で旅行説明会を開催。欧州やアフリカなど遠距離方面の需要回復も進み、海外旅行売上は前年を上回った。
インバウンド・自治体連携事業も拡大
訪日旅行分野では、円安を背景に訪日需要が活況となる中、欧米豪市場向け営業を強化。富裕層向けラグジュアリーツアーの販売や、アジア市場向けBtoC・BtoBtoC販売拡大に取り組んだ。また、ソリューション事業では、大阪・関西万博会場での輸送支援事業や、自治体との包括連携事業など、観光以外の課題解決型ビジネスを推進。自治体とのネットワークを活用した事業拡大を進めている。
次世代システム構築で効率化へ
今後について同社は、添乗員同行型ツアーを軸に、付加価値創出と顧客満足度向上を進める方針を示した。
訪日旅行では、引き続き欧米豪市場や富裕層向け商品の強化を図るほか、ソリューション事業では地域社会に貢献する自治体連携事業を深化させる。さらに、次世代基幹システムの構築を進め、業務効率化や顧客データ分析による募集効率向上にも取り組む。