運輸安全委員会は5月28日、航空、鉄道、船舶分野の事故調査報告書を公表した。航空分野では、ピースウィンズ・ジャパンのヘリ墜落事故や動力滑空機の着陸事故、鉄道分野ではえちぜん鉄道の落石による脱線事故などについて、原因分析と再発防止策を示した。
えちぜん鉄道、落石衝突で脱線
鉄道事故調査報告では、2025年3月に福井県勝山市のえちぜん鉄道勝山永平寺線で発生した列車脱線事故を取り上げた。列車は比島駅―発坂駅間を走行中、線路内の岩塊を発見し非常ブレーキを使用したが衝突し、先頭車両が脱線。運転士1人が負傷した。
報告書では、斜面中に存在していた岩塊が、融雪水による土砂侵食などで不安定化し落下した可能性を指摘。落石が線路支障位置まで到達したことについて、斜面形状の影響で岩塊が線路方向へ飛び出したと分析した。事故現場では、長さ約2m、推定重量約12.6トンの岩塊が確認されていた。
ピースウィンズ・ジャパンのヘリ墜落
航空事故調査報告では、2022年8月に広島県神石高原町で発生した、ピースウィンズ・ジャパン所属AS350B型ヘリコプターの墜落事故を公表。同機は人員輸送後、神石高原場外離着陸場へ向かう途中で行方不明となり、山中で墜落状態で発見された。機長1人が死亡した。
また、北海道北見市では、動力滑空機DG-400型が着陸時に滑走路端ののり面へ衝突し大破、機長が重傷を負った事故も報告された。報告書では、エンジン格納部の扉が開いた状態となり滑空比が低下した可能性などを分析している。
船舶事故は漁船・プレジャーボート中心
船舶事故では、プレジャーボート事故や漁船火災、衝突事故など計15件を公表。愛知県南知多町沖で発生したプレジャーボート事故では、船長と同乗者1人が死亡した。
このほか、長崎県対馬市沖の漁船同士の衝突事故や、熊本県天草市沖での漁船とプレジャーボートの衝突事故なども報告対象となった。