山形県米沢市の市民団体「米沢さしこの会」は5月31日、海外からの工芸ツアー参加者14人を迎え、伝統の刺し子ワークショップを開催した。ワールド絞りネットワーク・ファウンデーション(WSNF)が主催する「2026 Travel For Workshops – Japan」の目的地のひとつに米沢が選ばれたもので、昨年に続き2回目の開催となった。
六角形の幾何学模様が特徴の「原方刺し子」
ワークショップは伝国の杜(米沢市上杉博物館・置賜文化ホール)で実施した。欧米圏を中心とする参加者が、伝統文様「立涌(たてわく)」の制作に挑んだ。英語の図解も交えて指導が行われたことで、講師の説明が日本語であっても参加者はスムーズにコツをつかんでいった。約2時間のワークショップを通じ、思い思いに針と糸を運ぶ姿が見られた。
米沢の「原方刺し子」は1600年代初頭、会津地方から移り住んだ「原方衆」と呼ばれる人々によって誕生したとされる伝統技術だ。六角形を基調とした幾何学模様が特徴で、ひとつの意匠の中に複数の模様が組み合わされることも多い。しかし後継者不足により多くの歴史的作例が失われたことを受け、伝統の保存・伝承を目的とした「米沢さしこの会」が2025年4月に発足した。
手仕事が言葉を越えた交流を生む
ワークショップ終了後には参加者から講師へお礼のプレゼントを手渡すサプライズがあり、自国のお土産や自らの作品を贈り感謝を伝え合う場面もあった。その後は大正時代から残る上杉伯爵邸でランチをともにし、米沢で刺し子が盛んになった歴史的背景について語り合いながら交流を深めた。当日は「米沢さしこの会」が製作したブローチやカードケースも販売され、複数の作品を買い求める参加者の姿もみられた。
観光まちづくり法人のプラットヨネザワは今回の活動を支援しており、今後も米沢の文化や手仕事の魅力を国内外へ発信しながら、地域の活動と連携した観光体験を届けていく。