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盆栽・水石を文化産業へ 振興議連が発足、輸出拡大やユネスコ登録目指す

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盆栽・水石文化産業振興議員連盟の発足式・総会が7月2日、衆議院第二議員会館で開かれた。日本が誇る盆栽・水石文化の継承と産業振興、海外展開の強化を目的に設立したもので、会長には林芳正総務相が就任した。国会議員をはじめ、内閣府、文化庁、農林水産省、経済産業省、日本貿易振興機構(JETRO)、国交省、観光庁、さいたま市、盆栽・水石関連9団体などが参加した。

世界で「BONSAI」が共通語となり国際的評価が高まる一方、国内では後継者不足や技術継承、日本産ブランドの保護が課題となっている。議連では、輸出環境整備やトレーサビリティ構築、2027年国際園芸博覧会(GREEN×EXPO2027)を活用した発信、ユネスコ無形文化遺産登録などを柱に、官民一体で文化産業としての価値向上を図る。

発足式の様子
発足式の様子

林会長「日本の魂を宿す文化を後押しする」 盆栽・水石振興へ決意

冒頭、林会長は、過去に世界盆栽大会の誘致実現などに取り組んできた経緯に触れ、「一旦は役割を終えたとして盆栽議連を閉じたが、さらなる活動が必要だという声を受け、新たな発足に至った」と説明した。

そのうえで、「盆栽・水石は日本の魂を宿す大事な文化。有名になったからこそ輸出など新たな課題も出てきている。日本に根付いた盆栽・水石をしっかり後押ししていきたい」と述べ、文化継承と海外展開の両面で支援していく考えを示した。

下村会長代行「文化輸出産業として位置付けを」 後継者不足に危機感

設立趣旨を説明した下村博文会長代行(衆議院議員)は、会場に展示された盆栽に触れながら「盆栽が一つあるだけで、この部屋の風格や品位が変わる。それほど大きな存在感がある」と魅力を語った。

日本盆栽協会が主催する国風盆栽展が100回を迎えたことにも触れ、「皇室の方々も盆栽への造詣が深く、日本文化として大切にされてきた」と紹介した。

一方で「BONSAI、水石という言葉は世界共通語になっているが、国内の業界は後継者不足などで厳しい状況にある」と課題を指摘。「日本を代表する伝統文化を世界へ発信し、新たな文化輸出産業として位置付けていく必要がある」と議連活動への意欲を示した。

下村会長代行
下村会長代行

片山財務大臣「有力な文化コンテンツ」 成長分野として期待

議連副会長に就任予定の片山財務相も出席し、盆栽・水石文化への期待を述べた。

片山大臣は、自身がさいたま市出身であることや、さつき盆栽との縁にも触れながら、「今回、強く豊かな日本をつくるうえでコンテンツが重要になる。盆栽は有力な分野だと思っている」と強調。「皆様と一緒に仕事をさせていただきたい」と支援する姿勢を示した。

業界側が3本柱を要望 「守る・伝える・残す」で価値向上へ

日本盆栽協同組合の櫻井成理事長は「盆栽と水石は単なる園芸品や鑑賞物ではない。長い年月をかけて自然と向き合い、先人から受け継いだものを次世代へ託していく、日本独自の自然観、生命観、美意識の表現だ」と強調した。

その上で今後の重点政策として、①正規輸出体制とトレーサビリティ整備(守る)②2027年国際園芸博(GREEN×EXPO2027)を活用した国際文化発信基盤の構築(伝える)③ユネスコ無形文化遺産登録への取組(残す)―の3本柱を提示した。

正規輸出では、米国向け輸出ルートの整備や北米・EU市場への対応強化を進めるとともに、個体識別や育成履歴、由来を証明するトレーサビリティ基盤の構築を要望。日本産盆栽のブランド保護と国際的な信頼性確立を目指す。

また、GREEN×EXPO2027を盆栽・水石文化を世界へ発信する重要な機会と位置付け、日本産盆栽が持つ歴史的・文化的価値や、長期間の育成によって生まれる価値、日本方式による管理・流通の仕組みなどを国内外へ発信する考えを示した。

ユネスコ無形文化遺産登録については、盆栽・水石の歴史的背景や職人技術、世代を超えた継承の仕組みを国際的に明確化し、文化としての理解促進につなげる。

さらに、今後は従来の愛好家層だけでなく、美術、デザイン、観光、海外市場など新たな層との接点づくりや、若年層向けの教育・体験機会の充実にも取り組む方針を示した。

輸出拡大へ正規ルート整備 令和8年は38%増ペース

農林水産省は盆栽をめぐる現状を説明した。盆栽は世界共通語「BONSAI」として欧州や中国などで人気を集め、令和7年の輸出額は約9億円。令和8年は前年同期比38%増で推移している。

EU向けクロマツ盆栽は検疫協議を経て輸出が解禁されるなど環境整備が進んでおり、今後は北米市場への対応強化も進める。

横山副会長、盆栽・水石の海外評価向上へ 産業振興を後押し

閉会にあたり、議連副会長である横山信一参議院議員は、林会長や下村会長代行を中心に超党派で議連が発足したことに謝意を示し、「多くの皆様に協力いただき、このような発足式を迎えることができた」と述べた。

横山氏は、欧州出張の際、現地の盆栽センターで展示されていた盆栽鉢が常滑焼だったことを紹介。現地関係者から、「盆栽鉢はヨーロッパでは入手しにくく、日本へ買い付けに行く」と聞くなど、常滑焼の盆栽鉢が高く評価されていたことに驚いた話に触れた。

その上で、盆栽・水石は、「海外において、アートとしてもっと高い評価が得られるもの」と位置付け、アートフェアにおいて高い評価を得られるよう業界と行政が連携し、「産業振興」につなげていきたいと、盆栽・水石文化の継承に向けた決意を示した。

取材 ツーリズムメディアサービス代表 長木利通

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