本と珈琲の店UNITÉ(東京都三鷹市)は8月26日、同店で、京都大学大学院文学研究科で地理学を専攻する重永瞬氏の『新しい日本地理 地図・統計・移動から読み解く』の刊行を記念した対談を開催した。重永氏と、東京科学大学リベラルアーツ研究教育院教授(メディア論)の柳瀬博一氏が登壇し、東京の地形や交通、郊外の形成などを切り口に、都市の成り立ちを読み解いた。
対談のテーマは「東京ってなんだろう?──東西二元論から露店、カワセミ都市トーキョーまで」。東京の地形や湧水、河川などを取り上げ、武蔵野台地の地形と現在の街の姿との関係について語った。
国道16号線周辺に広がる都市圏にも話題が及んだ。交通網や軍事施設などが東京の郊外形成に与えた影響を取り上げ、現在の都市の姿がどのように形づくられてきたのかを考察した。
東京と京都、大阪の地形や都市構造の違いについても意見を交わした。それぞれの地形や交通条件などを手掛かりに、都市が異なる形で発展してきた背景を読み解いた。
さらに、GIS(地理情報を地図上に重ねて分析するシステム)を活用した地理の記述方法についても紹介した。人口や交通など、さまざまな情報を組み合わせることで、都市や地域を多面的に捉える視点を示した。
会場には大学生や出版業界関係者、作家など約16人が参加した。参加者からは「地形や地層の成り立ち、歴史から物事を読み解く2人ならではの視点と、掛け合いが興味深かった」との声が聞かれた。
歴史地理学から日本を読み解く
重永氏は京都大学大学院文学研究科で地理学を専攻し、歴史地理学を専門とする。縁日露店を中心とした近現代都市史を研究する一方、まち歩きのガイドとしても活動している。
著書に『統計から読み解く色分け日本地図』『Y字路はなぜ生まれるのか?』などがある。6月には講談社現代新書から『新しい日本地理 地図・統計・移動から読み解く』を刊行した。地図や統計、人の移動などから、日本の地域構造を捉え直している。
メディアと都市をテーマに発信
柳瀬氏は東京科学大学リベラルアーツ研究教育院教授で、メディア論を専門とする。慶應義塾大学を卒業後、日経BP社で「日経ビジネス」の記者や書籍編集、「日経ビジネスオンライン」のプロデューサーなどを務め、2018年から現職。
著書に『国道16号線 「日本」を創った道』『カワセミ都市トーキョー』『アンパンマンと日本人』などがある。8月には養老孟司氏との共著『虫とマンガと日本人 養老孟司のキャラクター論』を刊行した。
関連情報
本と珈琲の店UNITÉ https://www.unite-books.com/
対談アーカイブ配信 https://unite-books.shop/items/6a72c8021d175c9d6b02f8fa
TMS記者
投稿者:印南幸恵(いんなみ・ゆきえ)ツーリズムメディアサービス特任記者、東京山側DMC 地域創生マチヅクリ事業部