内閣府は9月4日、国連防災機関(UNDRR)が主催する「2027年アジア太平洋防災閣僚級会議(APMCDRR)」を、2027年10月25~29日の5日間、宮城県仙台市で開催することを発表した。日本での開催は初めて。アジア太平洋地域約60カ国の防災担当閣僚や政府関係者、国際機関、NGO、自治体、大学・研究機関、民間企業など約5000人が参加する予定で、このうち約3割を海外からの参加者を見込む。
会場は仙台国際センターなど。東日本大震災の被災地である仙台を舞台に、事前防災や「より良い復興(Build Back Better=BBB)」、先進的な防災技術の国際展開などを議論する。最終日には復興現場の視察も予定しており、日本の防災・復興の経験を世界に発信する国際会議となる。
アジア太平洋約60カ国、防災閣僚が仙台に集結
APMCDRRは、UNDRRと開催国が主催し、アジア太平洋地域の各国政府や関係機関が防災政策について議論する国際会議。各国の防災担当閣僚に加え、国際機関、NGO、地方公共団体、大学・研究機関、民間企業など幅広い関係者が参加し、災害リスク軽減(DRR)を巡る政策や取り組みを共有する。前回は2024年10月にフィリピン・マニラ、2022年9月にはオーストラリア・ブリスベンで開催された。
2027年の仙台開催では、約5000人の参加を予定。3割程度が海外から訪れる見込みで、国際会議として大規模な人の移動を伴うことから、開催地・仙台にとっても国内外へ地域を発信する機会となる。
「仙台防災枠組」2030年以降の議論も
会議では、2015年に仙台で採択された国際的な防災指針「仙台防災枠組2015-2030」の実施状況を確認するとともに、2030年以降の国際的な防災枠組みのあり方について議論する。
仙台防災枠組は、災害による人的・経済的損失を減らすため、各国が防災・減災に取り組む方向性を示したもの。今回の会議は、その名称にもなった仙台で、次の国際的な防災政策を議論する場となる。あわせて、災害が起きる前から防災対策へ投資する「事前防災投資」や、復旧・復興の際に災害前より強靱な社会をつくる「より良い復興(BBB)」の重要性について、国際的な認識を共有する。
ドローン、衛星、AIなど日本の防災技術を世界へ
日本開催では、防災技術や産業の海外展開も大きなテーマとなる。政府は、ドローン、衛星、AIなどを活用した日本の先進的な防災技術を紹介し、防災分野での国際協力や日本企業の海外展開につなげる方針。政府の「日本成長戦略」でも、APMCDRRなどを活用した官民一体でのPR、ODAや実証事業を通じた海外展開支援を施策に位置付けている。
会場では閣僚級会合や全体会議に加え、パートナーイベント、技術展示なども予定。防災分野の企業や研究機関にとって、各国政府・国際機関へ技術やサービスを発信する機会となる。
東日本大震災、能登半島地震の教訓も発信
日本政府は、東日本大震災や能登半島地震からの復興で得た成果や教訓を世界へ発信する。
会議初日の10月25日は参加者の到着と閣僚級歓迎夕食会、26日は開会式と閣僚級会合、全体歓迎レセプションを開催。27、28日は全体会議やテーマ別会合を行い、28日に閉会式を予定する。最終日の29日には復興現場を視察する。東日本大震災の被災地を実際に訪れ、復興の現状や防災・減災の取り組みを確認することで、日本の経験を国際的な政策や地域づくりへ共有する機会とする。
政府は今後、UNDRRや外務省などの関係省庁、各国政府、国際機関、仙台市をはじめとする自治体と連携し、開催に向けた準備を進める。
約5000人が仙台に集まる国際会議は、防災政策や技術の発信に加え、国際MICEとして国内外から多くの関係者を地域に迎える機会にもなる。東日本大震災からの復興を進めてきた仙台から、次の国際防災の方向性を発信する5日間となりそうだ。