雅耀会(Gayoh Society)は9月12日、日本の工藝の海外展開をテーマとする講座「Gayoh Explore #008 日本の工藝を、世界へ 外需と海外販路のグランドデザイン」を東京・六本木の国際文化会館とオンラインで開催する。ゲストに財務省大臣官房企画官の二宮悦郎氏を迎える。日本の工藝を海外のアート・ラグジュアリー市場につなぎ、継続的な販売や適正な価格形成を実現するための仕組みについて議論する。
国内需要が縮小する中、各地で受け継がれてきた工藝の技術や文化を次世代へどうつなぐかが課題となっている。講座では、単発の海外展示ではなく、作品を継続的に販売し、その対価を作家や職人へ還元する「商い」の仕組みを考える。
「日本の工藝を世界で売る」仕組みを考える
今回のテーマは「外需と海外販路のグランドデザイン」。日本の工藝には、地域ごとに育まれた素材、技術、美意識や文化的背景がある一方、海外市場で継続的なビジネスとして定着させるには、作品そのものの魅力だけでなく、その背景にある物語や文化をどのような文脈で伝えるかが重要になる。
講座では、海外のラグジュアリー・アート市場で工藝の価値がどのように評価され、購買につながるのかを取り上げる。さらに、一度の販売や展示で終わらせず、継続的な取引、価格形成、コレクターとの関係構築へつなげるための販路設計について考える。
個々の作家や事業者だけでなく、地域や行政、流通などを横断する人的ネットワークの形成や、国境を越えて工藝品を販売する際に必要となる仕組みを伝える。
欧州で伝統工芸の展開に携わった二宮氏
登壇する二宮氏は、財務省で予算や国際金融分野を担当した後、2022年からベルギー・ブリュッセルの欧州連合(EU)日本政府代表部参事官を務めた。EUの経済政策に携わる中、日本文化を海外でビジネスとして成立させることの重要性に着目し、日本の伝統工芸品の欧州展開に取り組んできた。2025年に財務省へ復帰し、現在も日本の工藝・文化の海外展開や国際販路の開拓に関わっている。
今回は、欧州での経験を踏まえ、海外市場の構造や日本の工藝が外需を獲得するための戦略について話す。
工藝・文化を地域産業として持続可能に
雅耀会は、「工藝・文化・商い」を軸に、日本の新たなラグジュアリーのあり方を探る活動を展開している。今回、特に重視するのが「商い」の視点だ。優れた技術や文化を保存するだけでなく、工藝品が適切に評価・販売され、その対価が作家や職人へ還元される経済循環をつくることが、技術継承にもつながると考えている。こうした考えから、今回の講座を企画した。
地域に根付く工藝を海外市場と結びつけることができれば、職人の収益確保だけでなく、地域文化の発信や地域産業の維持にもつながる可能性がある。同講座は、ファッションビジネス学会ラグジュアリービジネス研究部会との共催で実施する。
会場は国際文化会館、オンラインでも参加可能
開催は9月12日午後7時~9時。会場は東京都港区六本木の国際文化会館講堂で、Zoomによるオンライン参加にも対応する。
国際文化会館本館は、前川國男、坂倉準三、吉村順三の共同設計による登録有形文化財。今回使用する講堂は前川氏が設計した別館2階に位置する。
参加費は会場、オンラインとも5500円。申し込みはPeatixで受け付け、定員に達し次第締め切る。
開催概要
イベント:Gayoh Explore #008「日本の工藝を、世界へ 外需と海外販路のグランドデザイン」
日時:2026年9月12日(土)19:00~21:00
ゲスト:二宮悦郎氏(財務省大臣官房企画官)
会場:国際文化会館 講堂(東京都港区六本木5-11-16)/オンライン(Zoom)
参加費:5500円
主催:雅耀会|Gayoh Society
共催:ファッションビジネス学会ラグジュアリービジネス研究部会
運営:FashionStudies®
※サムネイルは、二宮氏