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周防光DMCに聞く、山口県の門島大橋・関門橋・錦帯橋で食と笑いの体験企画

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山口県光市出身で、大阪で30年以上接客に携わった香川正美氏。2026年7月に周防光DMCを立ち上げ、地域の自然や歴史、食をつなぐ観光づくりに取り組む。11月1~3日には、角島大橋、関門橋、錦帯橋を舞台に「本州の端っこ、山口県の橋と橋と橋で笑おう!」を開催する。今回は、周防光DMC代表の香川氏に、地域づくりの背景や企画に込めた思い、今後の構想を聞いた。写真左から2人目が香川氏。(9月4日オンライン取材 聞き手=ツーリズムメディアサービス特任記者 小田切妙)

30年以上の接客経験を地域づくりへ

――まず、これまでの歩みと、人に関わる活動の原点について教えてください。

山口県光市で生まれ育ちました。母方の家系が廻船問屋を営んでいたことや、親戚にも商売をする人が多かったことから、幼いころから人とかかわることが身近にあり、人と接する仕事に自然と興味を持つようになったのだと思います。大阪で30年以上接客や販売の仕事に携わりました。接客の仕事では、本当に多くの人との出会いに恵まれました。私のニックネーム「いおん」も、以前働いていたそのスーパーが由来です。20年前に臨床アロマの学校に通っていたころ、同級生が付けてくれました。「いおんです」と名乗ると、「マイナスイオンからですか?」と聞かれることがあります。そのたびに「いいえ、スーパーのほうです!」と答えると、いつも相手の顔が笑顔になる。覚えてもらいやすくて、少し笑ってもらえるところも気に入っています。

一方で、30代後半に命に関わる病気を経験したことが生き方を見直す大きな転機となりました。50代に入り長年勤めた仕事を早期退職し、自分らしく生きる道へ踏み出しました。現在はふるさと光市を拠点に、人とのつながりや心身の健康、地域づくりに取り組んでいます。

「手*結び」から始まった地域とのつながり

――現在は、具体的にどのような活動に取り組んでいますか。

2024年7月、笑いヨガ仲間の横川泰三氏と「虹の丘のアトリエ 手*結び」を立ち上げ、代表を務めています。地域の人が集い、学び、つながりながら、心身ともに健やかに過ごせる場所を作りたいという思いから始めました。また笑いヨガクラブ「すまいるばーど」の運営や笑いヨガリーダー養成講座にも取り組んでいます。笑うことは心と体の健康につながるだけでなく、人と人との距離を縮める力もあります。人が出会い、つながることで自分自身も地域も元気になっていく。そこに共通する思いがあります。

地域創生の学びから周防光DMCを始動

――人を中心にした活動から、地域そのものへと視点を広げたきっかけは何ですか。

光市には虹ヶ浜をはじめ、自然や歴史、文化、人の温かさなど、まだ十分に知られていない魅力があります。私自身を育ててくれたふるさとの風土や文化を、次の世代へ手渡していきたいという思いが次第に強くなりました。

麹を通じて知り合った仲間から東京山側DMCを紹介されたことをきっかけに、2026年1月から「東京山側DMC 地域創生プロデューサー講座」で学び始めました。地域にあるものを改めて見つめ、それぞれの魅力をつなぐことの大切さに気付くことができました。地域創生プロデューサー講座を開く東京山側DMCの宮入正陽代表から「まずはDMCと名乗ってみよう」と背中を押されたこともあり、7月16日の「なないろ(虹)の日」に周防光DMCとして活動を開始しました。

DMCは地域の価値を次世代へ手渡す方法

――DMCとして活動する中で、その役割をどのように捉えていますか。

DMCは、単に観光客を呼ぶためだけの仕組みではないと考えています。地域にある自然、歴史、文化、食、そして人の力を見つけ、それぞれをつなぐことで新しい価値を生み出し、その価値を次の世代へ手渡していくための方法の一つです。

地域の中には、住んでいる人にとって当たり前になり、魅力として認識されていないものがたくさんあります。外から人を呼ぶことだけではなく、地域に住む人自身が自分たちのまちの良さを再発見し、誇りを持てるようにすることも大切と考えています。まだ手探りの段階ですが、まず自身がDMCを名乗り、できることから動き始めることで、新しいつながりや可能性が生まれると感じています。

3つの橋を起点に山口を味わう

――DMCとして11月に開催する「本州の端っこ、山口県の橋と橋と橋で笑おう!」について教えてください。

11月1~3日の3日間に「虹の丘のアトリエ 手*結び 2周年祭・周防光DMC発足記念」として開催します。角島大橋、関門橋、錦帯橋を舞台に、各地の風土、歴史、文化、食を楽しんでもらう企画です。「橋と橋と橋」という名称にちなみ、実際の橋の下で食事に使う「箸」を配るアイデアも考えています。「橋」と「箸」という言葉遊びを入り口に、山口県の食を味わいながら、その背景にある土地の物語にも関心を持ってもらいたいと思っています。

ただ観光地を見て回るだけではなく、そこで笑い、食べ、感じる時間にしたいです。3つの橋を起点に地域の魅力をつなぎ、山口県をより深く知ってもらうきっかけをつくります。

「ジオレベル」で土地の物語を味わう

――企画では、どのような体験を大切にしていますか。

大切にしているのは、その土地を五感で味わうことです。私はそれを「ジオレベルで山口県を味わう」と表現しています。

その土地にはどのような風土があり、何が育まれてきたのか。そこからどのような歴史や文化が生まれ、現在の食や暮らしにつながっているのか。目の前にある景色や料理だけでなく、その背景まで感じてもらえる体験をつくりたいと考えています。食を味わうときにも、なぜその食材が地域で育ち、どのように食べ継がれてきたのかを知ることで感じ方は変わります。自然、歴史、文化、食を一つの物語としてつなぐことが、地域資源を観光につなげる上でも重要だと考えています。

「光」と「虹」を地域の象徴へ

――拠点となる光市の観光について、DMCとしてどのような課題を感じていますか。

光市には優れた観光資源がありますが、その魅力を十分に生かし切れていないと感じています。特に「光市」という市名と「虹ヶ浜」という名称は、地域を発信する上で大きな資源になり得ます。例えば、「光」と「虹」をモチーフにしたモニュメントやフォトスポットがあれば、若い世代や家族連れにも楽しんでもらえます。写真を撮ってSNSで発信したくなる場所が生まれれば、光市を知ってもらう新たな入口にもなります。

行政の取り組みを待つだけではなく、地域に住む人や民間からもアイデアを出し、小さなことから動かしていくことが重要です。一人では難しいことも、思いを持つ人がつながれば形にできると考えています。

光市から周南地域、山口県全体へ

――周防光DMCとして、今後どのような活動を目指しますか。

まずは光市を中心に、周南地域で活動するさまざまな人と連携していきたいです。それぞれの地域が持つ自然、歴史、文化、食、観光資源をつなぎ、一つの地域だけでは生み出せない体験や物語として発信したいと考えています。

今後は年間3本程度を目標に、地域の魅力を生かしたプロジェクトを形にしていく予定です。一つひとつの活動を積み重ねながら、光市だけでなく、周南地域、さらに山口県全体をつなぐ仕組みへ育てていきたいです。目指しているのは、観光客に来てもらうことだけではありません。地域に住む人自身がまちの魅力を再発見し、「ここに住んでいて良かった」と誇りを持てる地域づくりです。人とのつながりを起点に地域資源を見つめ直し、それを体験として編み直すことは、地域側の視点から観光をつくる一つの方法になると考えています。まだまだ手探りですが、地域の人と一緒に考えながら、小さな一歩を重ねていきたいと思っています

聞き手=小田切 妙(ツーリズムメディアサービス特任記者)

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