【レポート】新たな旅の価値を発信　目標を超える18万2934人が来場、ツーリズムEXPOジャパン2024

2024/10/17

TMS編集部

　日本観光振興協会（日観振）、日本旅行業協会（ＪＡＴＡ）、日本政府観光局は９月26～29日、世界最大級の旅のイベント「ツーリズムＥＸＰＯジャパン２０２４」（東京都江東区・東京ビッグサイト、以下ＴＥＪ）を開いた。２年ぶりの東京開催で、会期中の来場者数は、目標の18万人を超える18万2934人だった。新たな旅の価値、進化する「日本」を発信した。

　今年で10回目となるＴＥＪの総合テーマは、「旅、それは新たな価値との遭遇」。会場には、世界から80の国・地域、国内からは47都道府県が参加し、出展企業・団体数は１３８４団体だった。出展ブース数は、２０２３年の１４４２小間を上回る１６２４小間となり、そのうち約４割が海外からの出展となった。また、若者の旅行離れに向けた対策として、ＴＥＪ実行委員会が業界日（26、27日）に観光を学ぶ学生４５００人を招待するほか、展示会のアカデミーコーナーには過去最高ととなる教育機関14校が出展した。

　開会式では国内外の観光リーダーが登壇。冒頭、日観振の菰田正信会長が「国内旅行やインバウンドは堅調だが、海外旅行はコロナ前の約６割と回復途上にある。今年は海外渡航自由化60周年の記念イヤーであり、海外旅行活発化の契機にしたい」とあいさつした。

　来賓として登壇した観光庁の祓川直也長官は、「国内外から多くの事業者を招いた。ＴＥＪが日本と世界の観光を発展させる機会となる」とＴＥＪを契機とした誘客拡大に期待を寄せた。

　ＵＮツーリズムのハリー・ファン太平洋部部長は、「アジア・太平洋の観光需要は日本がけん引している。観光業界をより成功に導くためには、サステナブルツーリズムが必要。持続可能な観光の未来につなげていきたい」と述べた。

　このほか、岸田文雄首相（当時）や東京都の小池百合子都知事がメッセージを寄せ、日本の成長戦略の柱となる観光産業に期待感を示した。

　主催者会見では、主催３団体からＪＡＴＡの髙橋弘行会長、日観振の最明仁理事長、ＪＮＴＯの蒲生篤実理事長が登壇し、開催概要などを説明した。２０２５年４月13日に開幕を控える大阪・関西万博からは、２０２５年日本国際博覧会協会の髙科淳副事務総長も登壇。会場の完成イメージ図や見どころなどを紹介した。さらに、スペシャルサポートとして、「世界で１番旅が大好きで旅に対する愛は誰にも負けない」という俳優の山口智子さんは「人生における感動はほとんど旅からいただいた。旅の醍醐味は体験であり、世界、地球をもっと知ってもらいたい」と呼び掛けた。

　会場では、世界９カ国の観光大臣らが出席した観光大臣会合のほか、第８回「ジャパン・ツーリズム・アワード」の表彰式、テーマ別シンポジウム、ツーリズム・プロフェッショナル・セミナーなどが行われた。

　基調パネルディスカッションでは、ＪＴＢの山北栄二郎社長やヨーロッパ旅行委員会（ＥＴＣ）のエドゥアルド・サンタンデールエグゼクティブディレクター、鶴雅リゾート取締役の髙田茂アドベンチャー事業部部長、さとゆめの嶋田俊平ＣＥＯが登壇し、「観光交流人口の拡大」をテーマに意見を交わした。サステナブルな精神を持ち地域の人々と交流したい観光客を呼び込むこと、新たな観光交流人口を創るためにも官民パートナーシップ拡大が必要であることなどの意見が出た。

　26日の夜に業界関係者向けに開かれたウェルカムレセプションでは、石川県輪島市名舟町に伝わる伝統芸能「御陣乗太鼓」のビデオ上映や、南インドのケーララ州、マラヤーリに伝わる「カタカリダンス」が披露されるほか、菅義偉元首相からは寄せられたビデオメッセージが披露された。菅元首相は、「観光が世界の基幹産業として果たす役割は増している。今後は大胆な取り組みが必要となってくる」と今後の取り組みに期待した。