国土交通省は9月11日、2026年の「防災功労者内閣総理大臣表彰」で、同省関係から1個人、6団体が受賞者を発表した。豪雨災害での水防活動や土砂災害防止、TEC-FORCEによる被災自治体支援などの功績を評価した。
防災功労者内閣総理大臣表彰は、災害時の人命救助や被害拡大防止、平時の防災思想の普及、防災体制の整備などで特に顕著な功績を上げた個人や団体を表彰する制度。今回、国交省関係では水防活動で3団体、土砂災害防止活動で1個人・1団体、緊急災害対策活動で2団体が選ばれた。
熊本・鹿児島の消防団、豪雨時の救助や避難誘導
水防活動関係では、熊本県の玉名市消防団、熊本市消防団、鹿児島県の霧島市消防団が受賞する。
玉名市消防団は2025年8月の大雨で延べ544人が出動し、河川巡視や道路冠水箇所の通行止め、避難誘導を実施。孤立した住宅から地域住民約30人をボートで救助したほか、消防用ポンプ11台を使った排水作業にも当たった。
熊本市消防団は同じ大雨で延べ96分団471人が出動し、巡回警戒や避難誘導を行った。増水で脱出が困難となった住民約45人をボートで救助した。
霧島市消防団では、巡回警備中の団員4人が水没した軽自動車を発見。胸部付近まで水位が上がる中で車両に接近し、窓ガラスを割って取り残されていた男性1人を救出した。
土砂災害防止で平松晋也氏、米原市消防団も受賞
土砂災害防止活動では、信州大学名誉教授の平松晋也氏が防災体制の整備への貢献で受賞する。
平松氏は長年にわたり砂防学を研究し、山腹崩壊の発生メカニズムや警戒避難基準、森林による崩壊抑制力などに関する研究を推進。国や長野県の各種委員会でも技術的・学術的な助言を行い、砂防行政や人材育成に貢献してきた。
団体では、滋賀県の米原市消防団伊吹方面隊第2分団伊吹班が選ばれた。2024年7月に伊吹山で発生した3度の土砂災害で、住民の安否確認や現地確認、住宅内の土砂撤去、土のう積みなどを実施し、被害軽減に取り組んだ。
TEC-FORCE、被災自治体の復旧を支援
緊急災害対策活動では、国土交通省の緊急災害対策派遣隊(TEC-FORCE)と、土木研究所の緊急災害対策派遣隊が受賞する。
2025年8月の大雨では、九州を中心に記録的な降雨となり、河川の浸水や土砂災害、断水などが発生。国交省は被災地に延べ1035人・日のTEC-FORCEを派遣し、被害状況調査や給水支援、排水作業、道路啓開、斜面崩壊箇所の応急復旧支援などを行った。
土木研究所は、国道10号網掛橋の橋台洗掘について専門家を派遣し、復旧に向けた技術指導を実施した。
表彰式の日程などは、内閣府から別途発表される。