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インバウンド好調も団体旅行は道半ば、東京都旅行業協会が第14回定時総会

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東京都旅行業協会は6月16日、東京都千代田区の都市センターホテルで第14回定時総会を開催した。会員や来賓らが出席し、2025年度事業報告・決算および2026年度事業計画・予算などを承認した。総会では、回復が続くインバウンド市場への期待が語られる一方、国内団体旅行や日本人海外旅行の回復の遅れ、人手不足や物価高騰など旅行業界を取り巻く課題も共有された。

小松会長「東京の多様性が強み」

冒頭あいさつした小松信行会長(キャンディツアー)は、昨年の役員改選から1年が経過したことに触れ、「新体制のもと各種研修会やセミナーを積極的に実施し、充実した1年となった」と振り返った。

昨年実施した会員業態調査では、インバウンドを取り扱う事業者が全体の4割を超えたことを紹介。「東京ならではの地域特性を反映した結果であり、国内旅行、海外旅行、インバウンドと多様な事業者が共存していることが東京都旅行業協会の大きな強み」と語った。

7月に実施予定の能登半島復興支援ツアーについても報告し、「定員を上回る申し込みをいただいた。会員の積極的な参加と協力に感謝したい」と述べた。

一方で、物価高や人件費上昇、航空運賃や交通費の高騰など厳しい経営環境にも言及。「情報提供機能の強化や研修内容の充実を図り、会員事業者を支援していきたい」と強調した。

小松会長
小松会長

東京都「観光産業は東京経済を支える重要産業」

来賓として出席した東京都産業労働局観光部の山本貴志旅行業・住宅宿泊事業担当課長は、東京都が進める観光振興施策について説明した。

山本課長は、「観光客にとって、その土地でしか得られない体験こそが旅の価値であり、その中心には旅行業者や観光事業者が提供するおもてなしがある」と述べた。

東京都では、ナイトタイム観光や江戸文化を活用した観光振興、多摩地域の観光活性化などを進めているほか、東京を日本のゲートウェイとして全国への送客にも取り組んでいるという。さらに、人材不足対策として観光産業の魅力発信や外国人材活用支援も進めていると説明した。

山本課長は「観光産業は多くの雇用を生み出し、幅広い産業に波及効果をもたらす成長産業」と述べ、今後も旅行業界との連携を深めていく考えを示した。

ANTA近藤会長「旅行会社の存在価値が問われる時代」

全国旅行業協会(ANTA)の近藤幸二会長(全観トラベルネットワーク)は、「コロナ禍から4年が経過し、業界全体としてはコロナ前の状況に戻ってきた実感がある」と述べた。

一方で、「インバウンドは順調に回復しているが、日本人の海外旅行や団体旅行は依然として厳しい状況が続いている」と指摘。OTAやオンライン予約の普及によって旅行商品の直接販売が進む中、「いかに旅行会社が必要な存在であるかを改めて示していかなければならない」と語った。

東京都旅行業協会については「全国47支部を代表する存在」と評価。「昨年開催された国内観光活性化フォーラムin東京は、全国から『さすが東京』との声が上がる素晴らしい内容だった」と称賛した。

近藤会長
近藤会長

全旅クーポン取扱高は101億円

全旅の中間幹夫社長は、全旅クーポン事業の実績について報告した。中間社長によると、2025年度の全旅クーポン取扱高は全国で916億円に達し、このうち東京都の取扱高は101億円で全体の約11%を占めた。

東京都は、クーポン、ペイメント、対面決済、保険の4部門すべてで全国1位を獲得。中間社長は「東京都の会員の皆さまの努力の賜物」と評価した。今後の旅行会社の収益向上策として、下呂温泉観光協会との連携による手数料優遇やバス助成制度の導入、エスコンフィールド北海道のVIP席活用などの取り組みを紹介。「会員が利益を上げられる仕組みづくりを今後も進めていきたい」と語った。

中間社長(左)と全旅クーポン取扱い優秀社
中間社長(左)と全旅クーポン取扱い優秀社

2026年度は人材育成とデジタル化を推進

総会では2026年度事業計画も承認された。事業計画では、堅調なインバウンド需要の取り込みや海外旅行市場の本格回復、地域観光の高度化に加え、業界課題となっている人手不足や業務効率化への対応を重点項目に位置付けた。

旅行業務取扱管理者研修や実務研修の実施、会員向けセミナー、業務デジタル化支援などを進めるほか、2027年2月に宮城県仙台市で開催される国内観光活性化フォーラムへの参加や、GREEN×EXPO 2027関連旅行商品の造成支援にも取り組む方針だ。

旅行市場が大きく変化する中、総会では「旅行会社の価値をどう高めるか」が共通のテーマとして語られた。インバウンド需要を追い風にしながらも、団体旅行や海外旅行の回復、人材確保、デジタル化への対応など、多くの課題に業界全体で取り組む必要性が改めて確認された。

取材 ツーリズムメディアサービス代表 長木利通

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