国土交通省は7月15日、「令和6年能登半島地震からの復旧・復興状況と今後の見通し」(今年6月末時点)を公表した。被災者の暮らしとなりわいの再生に向けたインフラ復旧や復興まちづくりの進捗を取りまとめたもので、和倉温泉の護岸復旧や災害公営住宅の整備などが着実に進んでいることを示した。
和倉温泉の護岸完成、災害公営住宅は3,082戸を整備
住まいの再建では、災害公営住宅3,082戸すべてで用地確保のめどが立ち、7市町で443戸が工事に着手。最も早い地区では8月に入居を開始する予定で、今後は順次入居可能な地区を拡大する。
輪島朝市周辺では土地区画整理事業や道路工事が進み、一部宅地では建築が可能となった。今後も住宅や店舗の再建が可能な区域を順次広げていく。
また、和倉温泉では営業再開済み、または再開予定の旅館前面にあたる護岸790メートルの復旧工事が6月25日に完成。今年度末までに主要係留施設の本復旧完了を目指す。6月末時点で、和倉温泉旅館協同組合加盟19旅館のうち9軒が営業を再開している。
道路・河川復旧も前進 本復旧は2029春を目標
道路では、県道以上の通行止めは昨年度末時点で8カ所まで減少。国道249号沿岸部と能越自動車道などの本復旧は、工事が順調に進めば2029年春までの完了を予定しており、震災から5年程度での全面復旧を目指す。
河川・土砂災害対策では、人家が集中する22河川で本格復旧工事に着手。河原田川市ノ瀬地区では河道閉塞による湛水池を解消し、名舟地区では一部地すべり対策が完了した。県管理河川や砂防施設についても整備を進め、2029年度末までの完了を目指す。
観光・交通の再生も本格化
観光分野では、能登を対象とした復興応援割の実施を検討するほか、地域資源を活用した観光コンテンツ造成や観光再生支援を継続する。
地域交通では、今年10月ごろをめどに、能登地域の複数自治体で共通利用できるAIオンデマンド交通の実証運行を開始する予定。公共ライドシェアやタクシー営業区域の統合も進め、住民と来訪者双方の移動利便性向上を図る。
国土交通省は、「被災者の方々の暮らしとなりわいの再生を支える大前提は、インフラの復旧やまちの復興」とした上で、現場力を最大限に発揮し、一日も早い復旧・復興に全力で取り組む。