ブッキング・ドットコム・ジャパンは7月23日、LGBTQ+旅行者を対象とした「Travel Proud調査レポート」を発表した。19カ国・地域の1万3,331人を対象に実施した過去最大規模の調査で、旅行中は自身のアイデンティティの開示を慎重に判断する旅行者が多い実態や、安全対策への意識の高まり、AIを活用した情報収集への期待などを明らかにした。
LGBTQ+旅行者の多くが「旅先では慎重な判断」
調査によると、親しい友人に対して自身がLGBTQ+であることをオープンにしている人は世界で68%(日本37%)だった一方、旅行中もオープンにしている人は31%(日本9%)にとどまった。
また、「人生で一度は訪れたい」と考える旅行先を訪れるためであれば、自身のアイデンティティを明かさないこともいとわないと回答した人は世界で40%(日本38%)に達しており、多くの旅行者が旅先の状況に応じて自己開示を慎重に判断していることがうかがえる。
さらに、「カミングアウトしていない」と回答した旅行者では、旅行中に不安を感じないとした人が53%と過半数を占め、旅行中のネガティブな経験も他の属性より少ない結果となった。調査では、旅行先の環境に応じてアイデンティティの開示を選択する実態が示された。
安全対策を強化、トランスジェンダー旅行者の不安も浮き彫りに
LGBTQ+旅行者の44%(日本29%)は、数年前と比べて旅行時の安全対策を強化していると回答。位置情報の共有やVPNの利用、予備の携帯電話の携行などの対策を講じているほか、48%(日本43%)は公共の場でパートナーへの愛情表現をする前に周囲の状況を確認しているという。
また、トランスジェンダー旅行者では43%が「旅行への不安が高まった」と回答し、LGBTQ+旅行者全体(27%)を大きく上回った。特に性別で区分されたトイレや更衣室の利用が大きな不安要因となっていることも明らかとなった。
AI活用やインクルーシブな宿泊施設が安心感を後押し
一方で、過去1年間に性自認や性的指向に関連したポジティブな旅行体験をした人は82%(日本63%)に上り、適切な呼称を用いるスタッフやLGBTQ+フレンドリーな宿泊施設、ジェンダーニュートラルなトイレなどが安心感につながっていると回答した。
旅行計画ではAIの活用も広がっており、66%(日本60%)がAIを利用した経験があると回答。37%(日本32%)は、現地のLGBTQ+コミュニティや事情に関するデリケートな質問について、人に尋ねるよりAIに相談する方が安心できるとしている。また39%(日本30%)は、一般検索では見つけにくいLGBTQ+フレンドリーなスポットを探す際にAIが有効と回答した。
Travel Proudプログラムを世界14万2,000施設が導入
Booking.com宿泊施設部門シニアバイスプレジデントのMatthias Schmid氏は、「今年の調査結果は、『Travel Proud』プログラムの重要性がこれまで以上に高まっていることを示している」とコメント。2021年の開始以来、世界14万2,000軒以上の宿泊施設が研修を修了し、旅行者は世界2万以上の都市・目的地でLGBTQ+フレンドリーな宿泊施設を検索・絞り込みできるようになったと説明した。
同氏は「世界のLGBTQ+旅行者の66%が、自分らしく過ごせる旅行を重視している。自分らしさを大切にしながら、誇りを持って旅を続ける人々を支えていきたい」と述べた。