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東京都公立大学法人、自然体験が生物多様性教育に関連

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東京都公立大学法人は8月29日、小中学校教諭662人を対象とした調査から、幼少期に自然と触れ合った経験が、教員となった後の生物多様性教育の実践と関係しているとの研究成果を発表した。研究成果は学術誌「Biodiversity and Conservation」に掲載。自然への心理的な親近感がその間をつなぐ要因となっており、教員研修などで地域の自然に触れる機会を設けることが、生物多様性教育の充実につながる可能性があるという。

教員自身の自然体験が教育実践と関連

調査は2022年6〜7月に実施し、662人を解析対象とした。回答者には小学校教諭416人、中学校教諭216人などが含まれる。

幼少期については、6〜12歳頃に経験した11種類の自然に関わる活動の頻度を調べた。現在の自然との心理的なつながりについても尺度を用いて評価し、生物多様性教育の実践状況や年齢、性別などとの関係を構造方程式モデリングで分析した。

その結果、幼少期の自然体験そのものが現在の教育実践を直接決めるのではなく、自然体験と成人後の自然との心理的なつながりが関連し、さらにそのつながりと生物多様性教育の実践が関連する構造が確認された。

年齢については自然との心理的なつながりと正の関連を示した一方、生物多様性教育の実践数への直接的な効果は認められなかった。

小学校では自然に直接触れる活動が中心

生物多様性教育については、校内での自然観察や動植物の飼育・栽培、生態系についての学習、人間活動による生態系への影響、地域や地球規模の環境問題についての議論、自然保全活動など14種類の実践を調査した。

実践数は小学校教諭が平均3.6、中学校教諭が平均2.2だった。小学校では校内の自然観察が56.5%、植物の栽培・観察が55.5%、生き物の飼育・観察が46.9%となり、自然に直接触れる活動が多かった。

中学校では「人間活動が生物や生態系に及ぼす影響」と「地球規模の環境問題」がともに30.5%で、知識や議論を中心とした活動が比較的多かった。理科を専門とする教員の実践数は平均4.7で、非理科教員の平均2.9を上回った。

多忙さや知識、教材不足が実践の壁に

教育を進める上での課題も明らかになった。小学校、中学校ともに半数を超える教員が、他教科などの準備による多忙さを挙げた。植物や動物、自然に関する知識不足についても、双方で約半数が課題として認識していた。

小学校では51.0%が教材や資料の不足を挙げた。課題として認識する項目が多い教員ほど、生物多様性教育の実践数が少ないという負の相関も確認された。

こうした結果から研究では、生物多様性教育を充実させるには教員の負担軽減に加え、地域の自然環境に即した使いやすい教材や、生物・自然について学べる研修の充実が重要としている。

地域の自然で教員自身が体験する機会も

研究ではさらに、教員研修などに地域の自然環境での直接的な体験を取り入れ、教員自身が自然との関わりを深めることが、生物多様性教育の充実につながる可能性を示した。

長期的には、子どもの頃から自然に触れる機会を確保することが、自然を大切にする市民を育てるだけでなく、将来教育を担う人々の生物多様性教育への関わりにもつながる可能性があるとしている。

一方、今回の研究は東京都八王子市という一地域を対象とした調査で、結果をそのまま全国や他国の教育現場へ一般化することには注意が必要だ。今後は都市化の程度や自然環境、学校周辺の緑地へのアクセス、学校や自治体の支援体制なども考慮し、異なる地域での検証が求められる。

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