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国交省、船員安全・労働環境「SSS大賞」決定 落水検知システムが大賞

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国土交通省海事局は9月1日、2026年度の「船員安全・労働環境取組大賞(SSS大賞)」の受賞取り組み4件を選定した。大賞には、東亜建設工業、東亜海運産業、信幸建設の3社による「広域通信型 落水者救援支援システム」を選定。特別賞には、実践型練習船の導入、AI・DXを活用したヒヤリハット情報管理、作業船を活用した防災拠点整備の3件を選んだ。

SSS大賞は、船員の安全や労働環境の向上に関する優れた取り組みを表彰し、その普及や活用を促す制度。「Award for Safety and Smart Environment for Seafarers」の頭文字から「SSS大賞」としている。第12次船員災害防止基本計画の一環として実施している。

大賞は落水事故を即時検知、位置をリアルタイム追跡

大賞を受賞したのは、東亜建設工業、東亜海運産業、信幸建設が開発した「広域通信型 落水者救援支援システム」。水を検知すると信号を発信するセンサーと、省電力で広域通信が可能なLPWA規格のGNSSを組み合わせ、作業船員が海中に転落した際に事故を即時検知し、落水者の位置を追跡できる仕組みを構築した。

携帯電話が圏外となる海域でも長距離・長時間の通信が可能で、落水者の位置情報をリアルタイムで把握できる。これまで課題となっていた「発見の遅れ」を減らし、救助の初動を早められる点が評価された。港湾工事などに従事する各種作業船への展開も可能としている。

「新玄海」、船員育成と労働環境を両立

特別賞には3件が選ばれた。

辰巳商会と玄海汽船は、実践型練習船としてケミカルタンカー「新玄海」を導入した。若手船員の育成と労働環境の改善を両立する船舶として、居住スペースを拡張し、法定定員外に4部屋の船員室を確保。指導員と複数の若手船員が同時に乗船できる環境を整えた。

熱中症対策として荷役甲板にミストシステムを導入したほか、船内管理スペースにエアコンを設置。海上ブロードバンドを活用して気象・海象データを取得し、主機の遠隔モニタリングによる保守の効率化にも取り組む。

教育面ではメンター制度とカリキュラムを導入し、OJTの標準化や新人を受け入れるベテラン船員の負担軽減につなげた。乗組員全員が集まれる大型食堂やシアタールームも設け、作業環境と居住環境の双方を改善している。

津軽海峡フェリー、AIでヒヤリハットを一元管理

津軽海峡フェリーは、AI・DXを活用した「ISM連動型ヒヤリハット情報管理システム」の取り組みで特別賞を受賞した。船員が報告するヒヤリハット情報を電子化し、船舶と陸上部門が共通のプラットフォーム上で管理できる体制を構築。安全管理システム(ISM)と連携させることで、報告から原因分析、是正措置、他船への水平展開までを一元管理する。

集めた情報をAIが分析し、全船と陸上管理者へリアルタイムで共有。過去の事例や注意事項も検索しやすくした。紙による報告や事務処理を減らすことで、船員や管理者が安全対策や教育、再発防止策の検討に時間を充てられる環境づくりにつなげている。

作業船を「海上防災拠点」に

西村組は、「“作業船”から“海上防災拠点”へ―船員の命と地域を守る備蓄体制の構築」で特別賞を受賞した。自然災害などの非常時に備え、作業船に100人が3日間生活できる量の食料や簡易トイレなどを備蓄。大容量発電機、生活用水、AEDなども配備し、乗組員が孤立した場合でも電源、衛生、医療など最低限の機能を維持できる体制を整えた。

安否確認システムの備蓄管理機能を使い、各船の備蓄状況を確認できるようにしたほか、災害時には船を移動可能な防災拠点として活用することも想定。社員の安全確保にとどまらず、近隣住民への支援も視野に入れている。

9月9日に海事局長表彰

受賞者への表彰授与式は9月9日午後1時10分から、国土交通省海事局長室で実施する。海事局長から各受賞者に表彰状を授与する予定だ。

国交省は、今回選ばれた取り組みを船員災害の防止や労働環境改善の先進事例として周知し、海運・海事分野への普及や横展開につなげていく。

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