成田空港CS協議会は、お客の期待を超えるサービスをした空港スタッフを表彰する「CS Award 2026 Summer」の受賞者を発表した。外国人旅行者が落とした財布を出発直前まで関係者が連携して届けた3人と、車椅子を利用する旅行者と家族に寄り添ったスタッフの計4人を選んだ。
空港ターミナルサービスの長坂梨乃さん、飯田涼介さん、岩出美穂さんは、中国語だけを話す旅行者から、成田空港駅で財布をなくしたとの相談を受けた。旅行者はすでに出国審査を終え、制限区域内にいた。長坂さんがJR成田空港駅に問い合わせると、財布が届けられていることが分かった。
しかし、旅行者は出国手続きを終えているため、自分で駅まで戻って受け取ることができなかった。代理で受け取るには本人直筆の委任状が必要だったため、3人が役割を分担。飯田さんが航空会社から代理受領の了承を得てJR職員と返還手続きを進め、岩出さんは限られた時間で委任状を作成した。航空会社などとも連携し、出発時刻が迫る中、財布を旅行者に届けることができた。
対応から約3カ月後、旅行者から感謝の手紙が届いた。言葉が通じにくい中でも丁寧に対応し、大切な財布を返すため最後まで力を尽くしてくれたことへの感謝がつづられていた。協議会は、旅行者の立場に立った対応と関係者の連携、限られた時間でも諦めず問題を解決した姿勢を評価した。
もう1件は、東京空港交通の岩立政明さん。成田空港から沖縄へ向かう車椅子利用者を、航空機に乗り込むための昇降式車両「PBL(Passenger Boarding Lift)」で案内した。搭乗許可の確認に時間がかかり、利用者は車内で待つことになったが、岩立さんは本人や家族との会話を続け、子どもにも気さくに声を掛けるなどして、不安や負担を和らげた。
後日、利用者からは、丁寧で優しい対応だったため、それまで利用をためらっていた車椅子用の車両を「今後はまた利用したいと思いました」との言葉が寄せられた。協議会は、利用者の様子に気を配りながら安心して搭乗できるよう支えた対応を評価した。
CS Awardは、優れたサービス事例を成田空港内で共有し、空港スタッフのサービス向上や意欲につなげるため、成田空港CS協議会が実施している。今回は2026年4~6月のサービスを対象に、2件4人を選んだ。授賞式は9月17、18日に行う予定。