世界各地の観光関係者が集まる「ツーリズムEXPOジャパン2026」が9月24日、東京ビッグサイトで開幕した。初日のオープニングセレモニーには、主催団体や国内外の観光関係者、UN Tourism(国連世界観光機関)、世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)などが出席。今年は「進化する旅のかたち」をテーマに、74の国・地域から1200を超える企業・団体が出展する。会期は27日までで、24、25日は業界・プレス日、26、27日は一般向けに公開する。
主催は日本観光振興協会、日本旅行業協会(JATA)、日本政府観光局(JNTO)。会場では国内外の観光地や旅行商品、観光関連サービスなどを紹介する展示に加え、商談会、シンポジウム、セミナーなどを展開する。開会式は東展示棟Aステージで行われ、関係者によるテープカットで4日間のイベントがスタートした。
菰田会長「双方向交流のさらなる活性化へ」
主催者を代表してあいさつした日本観光振興協会の菰田正信会長は、国内旅行が着実に回復する一方、海外旅行については「持ち直しつつあるものの、まだ回復途上」との認識を示した。その上で、世界各国・地域が集まるツーリズムEXPOを通じ、国内旅行だけでなく海外へ出かける楽しさを再認識してもらい、双方向交流の活性化につなげたいと語った。
今年のテーマ「進化する旅のかたち」については、旅行者のニーズや価値観、テクノロジーの進化、地方誘客、持続可能な観光など、旅行を取り巻く環境が大きく変わっていると説明。観光が交流を通じて新たな価値を生み出し、地域経済を支える力をさらに高めていく必要性を強調した。
また、2027年3月に横浜で開幕する「GREEN×EXPO 2027」にも言及。会場内にも関連展示を設け、ツーリズムEXPOを国際園芸博覧会に向けた機運醸成の機会として活用する。

高市首相「日本列島の隅々まで足を運ぶきっかけに」
高市早苗首相はビデオメッセージを寄せ、ツーリズムEXPOについて、国内外の観光地の魅力を発信するとともに、観光関係者による商談を通じてインバウンド、アウトバウンド双方の交流を広げる機会になることへの期待を表明した。
会場には74の国・地域から1200を超える企業・団体が出展し、18万人規模の来場が見込まれると紹介。「多くの観光客の皆様が日本列島の隅々まで足を運んでいただくきっかけとなることを期待している」と述べた。
政府が3月に策定した第5次観光立国推進基本計画にも触れ、観光を日本の戦略産業として持続的に発展させるため、地方誘客を含むインバウンドの戦略的な誘客、国内交流やアウトバウンドの拡大、観光産業の強化を進める考えを示した。
7月の熊本地震による九州観光への影響についても言及し、10月1日から「九州復興応援割」を開始すると説明。「一人一人の旅が地域を支える大きな力になる」として、九州への旅行を呼びかけた。

木村観光庁長官「全国、世界をつなぐ架け橋に」
観光庁の木村典央長官は、観光を「我が国の成長、地方活性化にとって不可欠で非常に重要な分野」と位置付け、第5次観光立国推進基本計画に基づく施策を官民一体で進める方針を改めて示した。
基本計画では2030年に訪日外国人旅行者数6000万人、旅行消費額15兆円を目標に掲げるほか、アウトバウンドや国内旅行の振興、観光地・観光産業の強化を進める。木村長官は「本エキスポが全国各地、また世界各国をつなぐ架け橋となり、さらなる観光交流が促進されることを期待している」と語った。
熊本地震からの観光復興についても、九州で宿泊や食事、地域産品の購入を通じて地域を応援してほしいと呼びかけた。

UN Tourism「成長から、どんな価値を生み出すかへ」
海外からはUN Tourismのイオン・ヴィルク氏、WTTCのグロリア・ゲバラ氏らが登壇した。
ヴィルク氏は、コロナ禍からの回復が課題だった2022年から4年が経過し、世界の観光をめぐる議論は「観光がどう成長するか」だけではなく、「経済、地域、そこに暮らす人々にどのような価値を生み出すのか」へ変わっていると指摘した。
旅行者の移動方法や期待、テクノロジー、旅行先との関わり方が変化する中、行政と民間の連携を深め、地域への利益を広げることが重要になるとの考えを示した。

ゲバラ氏も、日本の観光成長を官民連携の成果として評価し、AIなどテクノロジーによって旅行者の期待や観光地そのものが変化していると指摘。WTTCは会期中、JATA、ツーリズムEXPOジャパンとの連携強化に向けた覚書を締結すると説明した。

26、27日は一般公開
ツーリズムEXPOジャパン2026は9月27日まで東京ビッグサイトで開催する。24、25日の業界・プレス日に続き、26日は午前10時~午後6時、最終日の27日は午前10時~午後5時まで一般公開する。
会期中は展示商談会のほか、観光大臣会合や各種セミナー、観光関連の表彰などを実施。国内、海外、訪日の3市場を横断し、旅行者への観光情報発信だけでなく、各国・地域や観光事業者の新たなビジネス、地方への誘客、持続可能な観光につながる交流の場として展開する。

取材 ツーリズムメディアサービス代表 長木利通