栃木県栃木市で11月14、15日、2年に一度の「とちぎ秋まつり」が開かれる。蔵の街大通りとその周辺を舞台に、江戸・明治時代の美術工芸を伝える人形山車などが巡行する市最大の祭り。囃子を競い合う「ぶっつけ」や、提灯に照らされた夜の巡行、市内の子どもたちが参加する「こども山車まつり」などを通じ、蔵の街に受け継がれる祭りの文化を楽しめる。
舟運と宿場町の繁栄を伝える祭り
栃木市は江戸との舟運や日光例幣使街道の宿場町として栄え、商人たちがまちの発展を支えてきた。とちぎ秋まつりは、1874(明治7)年に栃木県庁構内で行われた神武祭典を起源とする。
1893(明治26)年の栃木県初の商業会議所開設認可に伴う祝典では、万町、倭町、泉町の6台の山車が参加。1906(明治39)年の神明宮・招魂社祭典には室町の山車も加わり、現在の祭りの形が整ったとされる。1937(昭和12)年の市制施行祭以降は、市の発展を祝う祭礼として受け継がれてきた。
人形や彫刻、刺繍に江戸の技
祭りを彩る江戸型人形山車は、彫刻や金糸・銀糸の刺繍などで飾られ、神武天皇、日本武尊、関羽雲長、劉備玄徳などの人形を載せる。県や市の有形民俗文化財に指定されたものもあり、人形の表情や衣装、山車の装飾を見比べるのも楽しみの一つとなる。
昼の巡行では工芸の細部を間近に眺められ、日が暮れると提灯の灯が山車を照らす。蔵造りの街並みを背景に、昼と夜で異なる姿を見せる。
山車を寄せ、囃子を競う「ぶっつけ」
見どころの「ぶっつけ」は、複数の山車が向かい合い、囃子を競演するもの。各山車を曳く職方の頭同士の申し合わせで始まり、提灯や扇子を振りかざし、掛け声とともに演奏を盛り上げる。囃子の調子が崩れた山車が道を譲るという、古くからの習わしも残る。
両日には、市内の小学生が山車を曳く「こども山車まつり」も実施する。地域の人々が守ってきた祭りを、次の世代へつなぐ場にもなる。
栃木駅から徒歩約15分、会場周辺は交通規制
会場へはJR・東武栃木駅から徒歩約15分。車では東北自動車道・北関東自動車道の栃木ICから約10分となる。開催中は会場周辺で交通規制が行われるため、市は公共交通機関の利用を呼び掛けている。
問い合わせは、とちぎ秋まつり実行委員会事務局(栃木市観光振興課内、TEL0282-21-2374)または栃木市観光協会(TEL0282-25-2356)へ。詳細は栃木市の開催案内で確認できる。