観光庁は7月15日、2026年4~6月期の訪日外国人旅行消費動向調査に関するブリーフィングを開いた。説明した観光戦略課観光統計調査室の當麻江美室長は、訪日外国人旅行消費額が四半期として過去最高の2兆5,096億円となった要因について、「旅行者数の増加に加え、一人当たり旅行支出が伸びたことが大きい」と説明した。特に米国市場では買い物代や娯楽等サービス費の増加が目立ち、国・地域別の消費額で初めて首位となった。
米国が約3年ぶり首位 一人当たり支出も増加
4~6月期の訪日外国人旅行消費額は前年同期比0.2%増の2兆5,096億円。このうち国・地域別では、米国が3,848億円で2023年7月以来約3年ぶりに首位となり、台湾、中国、韓国、香港が続いた。
當麻室長は、米国が首位となった背景について、「旅行者数の増加に加え、一人当たり旅行支出も増加した」と説明。特に買い物代や娯楽等サービス費の伸びが消費額を押し上げたと分析した。
訪日客は減少も、一人当たり消費額が過去最高
一人当たり旅行支出は前年同期比3.3%増の24万4,000円となり、過去最高を更新した。訪日客数は前年を下回ったものの、一人当たり支出の伸びが上回ったことで、全体の旅行消費額はプラスとなった。
国・地域別では、メキシコ、中東、英国の順で一人当たり旅行支出が高く、宿泊日数が長いことに加え、メキシコや中東では買い物代も高い傾向が見られた。また、宿泊費は平均宿泊日数の減少により前年を下回った一方、飲食費、交通費、娯楽等サービス費、買い物代はいずれも増加し、消費が幅広い分野に広がっていることが示された。
「円安だけでは説明できない」
質疑応答では、消費額増加に円安がどの程度影響しているか質問が寄せられた。
當麻室長は、前年と比べ円安傾向にあることは認めつつも、「ドルベースで見ても米国は娯楽等サービス費や買い物代が増加しており、必ずしも円安だけが理由とは言えない」と説明。観光庁が進める高付加価値旅行や体験型コンテンツの充実など、さまざまな施策が消費拡大につながった可能性を示した。
また、記者から「欧米豪など一人当たり支出が高い市場の旅行者が増えたことが全体を押し上げたと考えてよいか」と問われると、「その理解で問題ない」と回答。一人当たり消費額が平均を大きく上回る市場で、旅行者数・支出額ともに増加したことが、今回の過去最高更新を支えたとの認識を示した。
取材 ツーリズムメディアサービス代表 長木利通