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リリース、あったらいいな (下) 業界用語に説明を、「ナンバーワン」は慎重に

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新聞社の駆け出し記者時代、中学3年生が理解できる文章を書くよう教えられた。スッと頭に入ってくるように文章が簡潔で流れが良いことを心掛けろと言われ、、難解な言葉遣いをするなと叱られた。しかし、慣れてくると専門用語や業界用語を使うようになる。入社後2、3年間は警察担当なので、その世界の言い方が増える。テレビドラマで見聞きするデカ部屋(刑事課)、マル暴(暴力団員)などだが、これらはさすがに記事では使わない。

インクルーシブホテルが開業というリリースをいただいた。インクルーシブはその宿泊施設の中で、宿泊代、食事代、ホテルのその他の施設利用料が全て含まれているとの意味だが、ここはやはり本文で最初にインクルーシブが登場する際に簡単でいいから説明を記載するのが親切ではないかと思っている。私は短大で担当している観光関連の講座の受講学生でもでも、こうした用語を使うと怪訝な顔をされてしまう。そのほか、ランドオペレーターを縮めてランオペも学生たちは理解できなかったようだ。

アルルファベットによる用語も然りだ。このサイトをご覧いただいている皆さんにとっては当たり前のような用語であっても、やはり誰もが読んですぐわかるように説明をお願いしたい。OT AやFITなども同様だ。言わずもがなだが、前者はOnline Travel Agentの略で、インターネットだけで旅行商品などを扱う旅行会社。後者はForeign Independent Tourで、パッケージ旅行や団体旅行ではなく、個人で予約など行い、海外旅行をする人たちを指す。

時間を遡って、20年以上も前にある農林関係の電話取材をしていた時、「ショウリンの被害防止」と電話口の担当者は言った。一瞬何のことかわからなかったのがそれはマツクイ虫から松林を守るということだった。リリースと違うが、今でも鮮明に覚えている。

「日本一」は要注意、「日本最大級」に言い換えを

もう一つリリースで気をつけてもらいたいのがナンバーワンという表現である。日本一、県内一、過去最高などと書きたくなってしまうのは容易に理解できる。インパクトが強いからだ。定量的に最大、最多、最長などが確認、証明できる場合は、事実なのだから問題ない。

しかし、比較することができない場合は、日本最大と言い切らず、最大級などの表現がふさわしい。例えばある観光団体がクラウドファンディングでイベント資金を調達したとしよう。その調達金額が、その観光分野で最大だと記載されていた。公的な団体などが達成額を公表していれば、日本最大としでも誤りではない。そうでないと、新聞や雑誌は多くの読者がいるから、クレームが寄せられる恐れがあるからだ。データの出展が明記されていると安心だ。その際、調査年が記されていれば、なお正確だと思う。限界集落の取材をした際、高齢化率がその県で最高との資料が配られた。念のために調べてみると、2年前のデータだった。

資料やリリースを作る担当者の苦労は分かる。私も短期間ではあるが、観光施設の広報部にお世話になった時、リリースを作った経験がある。情報を受け取る側から、発信する側へ、その際の神経の使い方は想像以上で、「このリリースは、なっていない」と文句をつけた新聞記者時代を恥じる次第であります。

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