岐阜県瑞浪市で10月4日、市内3校の音楽系部活動が初めて一堂に集まる「瑞浪市高校生合同音楽祭」が開催される。会場は農産物等直売所に隣接するアウトドア施設「きなぁた瑞浪」のバーベキュー広場。県立瑞浪高等学校、麗澤瑞浪高等学校、中京高等学校の高校生が学校の垣根を越えて共演する。約10年後に予定されるリニア中央新幹線岐阜県駅の開業を見据え、将来の地域を担う若者に瑞浪への愛着を育んでもらおうという地方創生プロジェクトでもある。入場無料。

3校が初めて一堂に。「高校時代を過ごしたまち」を故郷に
瑞浪市は岐阜県南東部の東濃地域に位置する人口約3万5千人のまち。名古屋市からJR中央本線や中央自動車道で約1時間というアクセス環境にあり、美濃焼に代表される陶磁器文化、中山道の大湫宿・細久手宿、全国的にも知られる化石産地など、多彩な観光・文化資源を持つ。近年ではブランド豚「瑞浪ボーノポーク」などの農畜産物や地域の食文化、アウトドア施設「きなぁた瑞浪」など、新たな地域資源の発信にも力を入れている。
今回の音楽祭は、内閣府地方創生予算を活用し、市民実行委員会、学校、瑞浪市が連携して取り組む地域づくりプロジェクトとして企画された。テーマの一つは、「高校時代を過ごしたまち」が、将来も誇れる故郷になること。進学や就職によって地域を離れる高校生も少なくないなか、学校の枠を越えた交流や地域住民との接点をつくり、「いつか戻りたい」「地域と関わり続けたい」と感じられるきっかけを高校時代につくることを目指している。人口減少が続く地方にとって、定住人口だけでなく、地域との継続的な関係を持つ次世代を育てていく試みとしても注目される。
合唱、吹奏楽、和太鼓――異なる3校の音楽文化が一つのステージへ
当日は、3校がそれぞれの特色を生かしたステージを披露する。県立瑞浪高等学校からは音楽部と吹奏楽部が出演し、合唱と吹奏楽を披露。麗澤瑞浪高等学校からは、中高生46人で活動し、日本太鼓ジュニアコンクールに岐阜県代表として出場した実績を持つ太鼓部が参加する。中京高等学校からは50人で活動する吹奏楽部が出演。昨年度の日本管楽合奏コンテスト全国大会出場や、今年度の甲子園での応援演奏など活動の幅を広げている。市内3校の異なる音楽文化が一つの舞台に集まるのは、瑞浪市では初めての試みとなる。
さらに、1990年に発足した瑞浪市唯一の交響楽団「瑞浪市民交響楽団」の有志メンバーも参加する。フィナーレでは、出演者全員がファイヤートーチを囲み、童謡「ふるさと」を合唱する予定だ。高校生だけの発表会にとどめず、市民や地域の音楽家も加わり、世代を超えて地域が一つになる場を目指す。また出演者には「瑞浪ボーノポーク」の魅力に触れる機会も設け、「音楽」と「食」の双方から瑞浪の魅力を伝える。
リニア開業時には社会人に。観光・交流の未来を担う世代を今から育てる
東濃地域では、約10年後の開業を目指すリニア中央新幹線の岐阜県駅が設置される予定で、交通アクセスの大幅な向上による観光、産業、人材交流などへの波及が期待されている。そして今回ステージに立つ高校生たちは、まさにリニア開業の頃、社会人として地域や社会を支える世代となる。
地域の将来を考えたとき、交通インフラや観光施設を整備するだけではなく、その地域に愛着を持ち、将来の観光や産業、地域活動を担う「人」を育てることも欠かせない。高校時代に学校の垣根を越えて仲間と出会い、地域の人々の前で演奏し、地元の食や文化に触れた経験が、10年、20年後の瑞浪との関係につながっていく可能性がある。音楽祭は、市民・学校・行政が連携し、未来の地域づくりを「高校生の今」から始めようとする試みでもある。美濃焼や中山道、食、自然などの観光資源に加え、地域を担う若い世代そのものを未来の地域資源として育てていく瑞浪市。その第一歩となる音楽祭に、東濃の新たな地域づくりの姿が表れそうだ。
10月4日、「きなぁた瑞浪」で開催。入場無料
「瑞浪市高校生合同音楽祭」は10月4日(日)、瑞浪市土岐町の「きなぁた瑞浪 BBQ(バーベキュー)広場」で開催する。13時開場、13時30分開演。県立瑞浪高等学校、麗澤瑞浪高等学校、中京高等学校による校歌紹介や各校の演奏、合唱などを予定し、最後は出演者全員で「ふるさと」を合唱する。入場は無料で全席自由。主催は瑞浪市3校高校音楽祭実行委員会ときなぁた瑞浪、瑞浪市が後援する。
高校生の音楽活動を起点に、学校、市民、行政、地域資源をつなぎ、10年後の地域を見据える今回の取り組み。「音楽」が若者と故郷との接点となり、リニア時代を迎える東濃の新しい交流へどうつながっていくのか。そのスタートとなる一日になりそうだ。