国土交通省は9月8日、2025年度(令和7年度)の「鉄軌道輸送の安全に関わる情報」を公表した。鉄道の運転事故は530件で前年度から66件減少し、長期的な減少傾向が続く。一方、列車の運休や旅客列車の30分以上の遅延などを含む輸送障害は7445件と40件増え、長期的には増加傾向となっている。
運転事故による死傷者は495人で前年度比1人減、このうち死亡者は227人で18人減少した。事故の内訳では、人身障害事故が298件、踏切事故が184件となった。
人身障害事故298件、死亡者161人
人身障害事故は298件で、前年度から23件減少した。死傷者は311人で16人減った一方、死亡者は161人と3人増えた。
原因別では、駅間での線路内立ち入りなどによる接触が78件、ホームなどでの線路内立ち入りによる接触が90件、ホームから転落して列車と接触した事故が36件、ホーム上での接触が82件だった。ホームからの転落とホーム上での接触を合わせると118件となり、前年度から10件減少した。
死亡者161人のうち、駅間での線路内立ち入りなどによる接触と、ホームなどでの線路内立ち入りによる接触がそれぞれ68人で、合わせて全体の8割超を占めた。
踏切事故は184件、33件減
踏切事故は184件で、前年度から33件減少した。死傷者は149人で9人増えたものの、死亡者は65人と22人減少した。
事故の相手別では、自動車が83件で45.1%、歩行者が79件で42.9%を占めた。原因別では、列車が接近しているにもかかわらず踏切内へ進入する「直前横断」が88件で47.8%と最も多く、落輪やエンスト、停滞などが64件で34.8%だった。
年齢別では70歳代が46件で25.0%と最多で、80歳以上も29件、15.8%を占めた。踏切道の種類別では、自動遮断機などを備えた第1種踏切道で164件が発生している。
運休・30分以上の遅延など7445件
一方、輸送障害は7445件で前年度比40件増となった。国交省は、運転事故が長期的に減少しているのに対し、輸送障害は長期的に増加傾向にあるとしている。
原因別では、線路内立ち入りなど鉄道事業者以外に起因する「部外原因」が3575件で全体の48.0%を占めた。鉄道係員や車両、鉄道施設などに起因する「部内原因」は1610件で21.6%。風水害、雪害、地震などによる「災害原因」は2260件で30.4%となった。部外原因は前年度から139件減少した一方、部内原因は45件、災害原因は134件それぞれ増加した。
国交省は鉄道事業法に基づき、鉄道運転事故や輸送障害、行政指導の実施状況、安全に関わる鉄道施設の整備状況などを毎年度取りまとめて公表している。