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2030年日本人クルーズ人口100万の勝算を聞く(上)  昨年実績約24万3000人でも届かないゴールではない

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日本旅行業協会(JATA)などクルーズ振興を図る5団体*は連携し、2030年までに日本のクルーズ人口100万人を掲げて情報発信やイベント開催など活動を強化している。旗振り役のJATAの松浦賢太郎クルーズ部会長(クルーズのゆたか倶楽部社長)に現状と展望を上下2回に分けて語ってもらった。

――第15回「クルーズ・オブ・ザ・イヤー」(2025年12月)の発表の際、公表された100万人という目標はかなりチャレンジングだと感じました。2025年の日本のクルーズ人口は約24万3000人で、コロナ禍前の2019年の35万6000人を依然として下回っているからです。

      「クルーズのお客様は戻ってきています」と語る松浦賢太郎クルーズ部会長

松浦部会長(以下松浦氏)まず、この100万人の内訳です。日本船70%、外国船30%とみています。このうち日本船は2029年初頭にディズニークルーズが始まり、40万人程度が新たなお客さんとして利用されるのではないでしょうか。さらにブレイクダウンすると、既存の日本船とこれから増える新造日本船が就航するので、残りは30万人です。外国船はフライ&クルーズを含め現状15万人から20万人弱です。こうしたことを考えると、全体として届かない水準ではないと思います。

新たなクルーズ層を取り込めるディズニークルーズ

――ディズニークルーズは海外で実績があるとは言え、40万人はかなりの水準ではありませんか

松浦氏 ディズニーはクルーズ商品の販売とオペレーションで高度なノウハウと情報があり、これまでの日本のクルーズ客とは違うファミリー層などを取り込むのではないでしょうか。彼らの見込みの40万人は日本船の70万人中のかなり大きなウェイトを占めてくると考えます。日本人が 1億何千人いてクルーズ人口は二十何万人なので、白地図の中からお客様をとってくるようなものです。ディズニーさんは北米でやっていますし、今年からシンガポールでも始めています。日本ではゼロからなんですけど、全くゼロから始めるというかわけではありません。シンガポールでも 3桁で日本人が乗ってるらしいですよ。

――ディズニーとは別の質問です。日本人がいだいているクルーズのイメージとして費用が高額、期間が長い、英語が不得手ということなどが根強いです。

松浦氏 従来のお客様が熟年層ということもあり、船会社が期間が長いコースを設定しているのです。ファミリー層は夏休みや春休みに集中しますが。費用の問題でいえば、高齢化社会が進むなかで、お金を惜しまないお客様がいます。彼の中にはリピーターも多く、船の中のコミュニティーも生まれていて、クルーズが人生のモチベーションになっている方もいます。そういったところに、船会社も意義を見いだしています。1泊クルーズなどのショートクルーズを増やし、年に100回、200回も行えばクルーズ人口は増えますが、それでは意味がないと思います。話は戻りますが、クルーズの入り口としてディズニークルーズはありがたく、我々もウェルカムです。若いうちにクルーズを経験した人が、その後またクルーズに乗ってみたいと思うことがあるからです。

――クルーズ代金、金額が高いというイメージについてはいかがですか。円安なので海外パッケージ旅行代金も高くなっているので、選び方にもよりますが、クルーズ代金がべらぼうに高いともいえないのでは。

松浦氏 インバウンドの増加によって、ホテルの宿泊費、つまり国内のラグジュアリーホテルとクルーズの1泊の費用は近似してきています。あと1万円追加すれば、船に乗れるということで、クルーズの選択肢が広がっています。クルーズは移動、食事などが含まれているわけですから。また、費用とは別の話ですが、ブロードバンド革命により、船内でもスターリンクのネットを使えば、仕事や株式取引もできるし、動画もサクサク見ることができます。つまり、デジタル・デトックスにはならず、50代、60代の方たちが長期に乗船する際の懸念も少なくなっています。

コロナ禍の負のイメージを挽回、拡大、最終的には成長へ

――最後の今後の見通しについてうかがいます。

松浦氏 2020年初頭のコロナ禍でクルーズのイメージは悪化しました。しかし、最近になり、離れていったお客様が戻ってきています。新しい船も就航しています。そのような状況で、これからのフェーズは拡大、最終的には成長していくと考えています。(以下、次回に続く)

*日本旅行業協会(JATA)、日本外航客船協会(JOPA)、 日本国際クルーズ協議会( JICC)、みなと総合研究財団(WAVE)、クルーズ特化型トラベルメディア、クルーズイズム

関連記事:https://tms-media.jp/posts/97955/

米・ディズニー社 5隻のクルーズ船(ディズニー・クルーズライン)を運航。フロリダ州(ポートカナベラル等)を出発地として、カリブ海各地へ寄港するツアーを中心に商品造成。今後、さらに3隻を増備。アジアでは、シンガポールを母港として導入。日本でディズニーを展開する㈱オリエンタルランドは、これらに続き、新造船の導入を計画、2028年度の就航を想定。:国土交通省『世界のクルーズ市場動向』から

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